■ ガフキー号数と菌濃度の相関
【質問】ガフキー号数と菌数の関係ってあるんでしょうか?
ガフキーがこんだけだと検体中には菌がこれだけいると考えられるとか・・・。
あと, ガフキーの違いによって感染力の違いはあるのでしょうか?
文献が出ていたら勉強不足ですいません。

【回答】質問にお答えします。
ガフキー号数と菌量
 我が国では以前より塗抹検査をZN染色でおこない, 400倍あるいは1000倍で観察し, 観察される菌数の量に応じてガフキー1から10号の段階で報告してきました。大まかにいえば号数と菌量は比例しますが, 定量的な値はないと思いいます。菌はスライドに均一に存在するわけではなく, 技師の主観によっても異なるからです。また, 採れた材料の質によって異なりますから, 同一患者でも一定の号数を示すわけではありません。さらに, 前処理で直接塗抹するのか, 集菌塗抹するのか, 蛍光染色かZN染色かで異なってきます。したがって, 我が国の新しい検査指針では(−), (+/−), (+), (2+), (3+)と表示すること勧めています。ただ, 大まかにいえば, 直接塗抹で陽性であれば, 喀痰1ccあたり菌は数万個存在すると考えられます。
ガフキー号数と感染力
 大まかにいえば号数と菌量は比例しますから, 号数が高ければ感染力は強いと思います。それと咳の持続期間が重要であって, 保健所の対応としては以下の基準を設けています。[ガフキー号数]×[咳の持続期間]が10以上を最重要事例, 0.1〜9.9を重要事例, それ以下をその他としています。

(京都大学・一山 智)

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