■ 結核菌PCR検査でのPCR陰性, 培養陽性の出現 
【質問】 結核PCRについて, PCR陰性, 塗抹陰性, 培養陽性がたまに見られますが, PCRの感度的に, このようなことがあるのでしょうか。 

【回答】PCR法は完璧な感度をもっている訳ではないのでPCR陰性, 塗抹陰性, 培養陽性の結果はありえることです。一方, 培養検査も同様に十分な感度ではないので, PCR陽性, 塗抹陰性, 培養陰性の結果もありえます。結核治療前の患者を対象にして, 喀痰をPCR法とセプティチェック(液体培地)法を比較検討したところ, 臨床的に結核と診断された患者の検体208件のうち, PCRで陽性であったものは144件(69.2%)で, 培養で陽性であったものは144件(69.2%)でした。144件のうち, 両者共陽性のものは133件, PCR陽性で培養陰性は11件, PCR陰性で培養陽性は11件でした。(Microbiol. Immunol. 42: 281-287, 1998)

(京都大学・一山 智)

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