06/02/02
06/02/06 06/02/10
■ 生肉のサルモネラ菌について
【質問】
 質問です。

 先日, “生の鶏肉の細菌検査”を行ったところ, サルモネラ菌「陽性」があったと報告されました。検査結果のまとめたものを提出しなければならないのですが, 調理後の食品や, 生食用肉のものばかりで, 加熱用肉の生状態での (食中毒の) 基準値が明確に書かれているところがなく, 「安全であるという証明」が出来ません。加熱する食材で, 原材料の段階での安全な細菌数の基準値を教えてください。お願いします。

【回答】
 食品衛生小六法 第1編 法令 第1章 食品衛生 食品の規格基準 D各条 ○食肉製品 1食肉製品の成分規格(2)個別規格 2. 非加熱食肉製品の箇所に記載されています。非加熱食肉製品とは, 食肉を塩漬けした後, くん煙し, 又は乾燥させ, かつ, その中心部の温度を63℃で30分加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法による加熱殺菌を行っていない食肉製品であって, 非加熱食肉製品として販売するものをいう。ただし, 乾燥食肉製品を除くとあります。質問者の「加熱用肉の生状態」がこの規格に当てはまると考えられます。規格として, E. coliが検体1 gramにつき100以下, 黄色ブドウ球菌が検体1 gramにつき1000以下, サルモネラ属菌は「陰性」です。一般生菌数については記載されていません。

(日水製薬・小高 秀正)


【質問者からのお礼】
 こんにちは。お忙しい中, ご回答いただきましてありがとうございました。どこをヒントに探せばよいのか, まったく分かりませんでした。教えていただいた箇所を参考に, 栄養士とも話し合っていきたいと思います。

【読者からの意見】
 私は某冷凍食品会社で品質管理の仕事をしております。

「生肉のサルモネラ菌について」ですが, 加熱用の生の鶏肉に, 非加熱食肉製品の基準を適用するのは問題があると思います。食肉製品の範囲は, ハム, ソーセージ, ベーコンなどからこれに類似する品目であり, 現実に加熱用の生肉に非加熱食肉製品の基準は適用されておりません。質問者のお立場が不明ですが, 栄養士さんとご相談されるとのこと。そのことから, 調理に関わるお立場であると推察するならば, 生肉といえど菌数があまりにも高いのは問題であるとは思われますが, サルモネラの25 gあたり陰性であるべきとの基準を参考にするよりは, 加熱用の生の食肉のサルモネラの食中毒予防の観点では, 明白に「十分な加熱と, 加熱後品の原材料からの二次汚染防止」が重要であることがまず認識されるほうが有益であると思われます。

【読者からの意見に対して】
 ご意見ありがとうございました。食品肉製品について, 食品衛生辞典 (中央法規出版) で確認したところ, ご意見の通りJAS規格にハム類6, ベ_コン類5, プレスハム1, ソ_セ_ジ10, 混合製品2種の計24種に規定していて, この肉製品を中心に, 食肉を用いたハンバ_グ, 焼き豚や1部の特殊製品, 肉類缶詰を包含した範囲の製品であることを理解しました。ですから, 非加熱食肉製品の基準を適用するのは間違いでした。ご意見に同意します。

 質問者への回答として次のように回答致します。厚生労働省の監視安全課へ電話して確認したところ, 市販の調理に使う生食肉に関して規格基準はないとのことでした。食肉の保存基準は食品の規格基準に記載されていますが, 質問者の質問である「原材料の段階での安全な細菌数の基準値」は記載されていません。監視安全課からのアドバイスとして, 最寄りの保健所へ出向き相談することを勧められました。取扱方法や調理方法などを相談し, その議事録と検査結果のまとめたものを一緒に提出したらいかがでしょうか。

(日水製薬・小高 秀正)

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