09/07/17
■ 結核患者に接触した職員の潜在性結核症
【質問】
 いつも参考にさせていただいています。病院で感染対策をしている看護師です

 肺炎で入院した患者様が, 開業医の検査でQFT (クォンティフェロン) 「陽性」の連絡あり, 当院でガフキー6号, PCR「陽性」が判明して転院されました。大変不穏行動がありました。その後8週間後に, 職員暴露者検査で22才の看護師がQFT「陽性」となりました。胸部レントゲン, CT検査では異常はありません。喀痰検査が3回できず, 1回は塗沫「陰性」でした。このような場合, 結核医療の必要のある“潜在性結核症”と確定されるのでしょうか???

 また, 当院には呼吸器医師がおりません。結核の指定医療機関を勧めるようになるのでしょうか??? 回答, よろしくおねがいします。

【回答】
 ガフキー6号の結核患者の接触者である若年職員がQFT陽性ということですので, 画像診断で明らかな感染巣がなければ「潜在性結核感染症」として治療 (従来のいわゆる予防内服) を勧めることになります。QFTは感染後長期間にわたって陽性が続くことがあるので, 接触前のQFTが陰性であることの確認がなされていない場合, 今回の感染かどうか, 本当にはわかりません。しかし, 接触者健診としてはその可能性を考えて対処する訳です。その場合,「潜在性結核感染症」として保健所への届出も求められています。検査結果を含めた状況の判断,「潜在性結核感染症」としての治療・管理が可能であれば, 必ずしも結核の指定医療機関や呼吸器内科医が必須ではないと思います。

(虎の門病院・米山 彰子)


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