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【論文発表】 精神神経科学/大井 一高助教らの論文"Specific gene expression patterns of 108 schizophrenia-associated loci in cortex."がSchizophrenia Research誌に掲載されました
統合失調症は、80%の高い遺伝率を示す多因子遺伝疾患であり、病態には多数の遺伝子が関わっています。これまでに、Psychiatric Genomics Consortium (PGC)は世界中からゲノムサンプルを集め、統合失調症の大規模な全ゲノム関連解析を行っています。PGCは108個のゲノム領域が統合失調症のリスクと関連することを報告しています。その領域内には300個以上の遺伝子が存在し、それらの遺伝子がどのように統合失調症の病態に関わっているかはよく分かっていません。遺伝子は組織特異的、各成長段階において時期特異的に発現していることが分かっています。本研究では、108個のゲノム領域内の遺伝子の中に、ある成長段階において脳特異的に発現する遺伝子があるかを調べました。その結果、9個の遺伝子は脳の中でも大脳皮質特異的に発現しており、MEF2CとSATB2遺伝子は胎生期特異的に、KCNB1とGRIN2A遺伝子は成年早期の大脳皮質特異的に発現していることが分かりました。今後、これら遺伝子の調べることで統合失調症の病態解明に役立つことを示唆しています。→Schizophrenia Research