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対象と方法:切除後の膵臓がん患者8例に対して、術後化学療法に上乗せした樹状細胞ワクチン療法を実施した。また、本療法の適用例を含む膵臓がんの34例に対して、WT1抗原の発現を免疫組織化学的に検討した。
結果:全例でWT1抗原やがん抗原を提示しうるHLA分子が検出され、本療法の良い標的疾患となることを確認した。本療法による発熱反応及び接種局所の発赤は忍容性があり、WT1特異的な細胞傷害性T細胞は7例に誘導が確認された。
結論:本研究により、WT1を標的とした樹状細胞ワクチンの安全性及び特異的能動免疫の誘導が示された。今後、切除可能膵臓がんの予後を改善する効能評価のために、本療法の前向き試験が検討される。
注)先進医療B課題「切除後の膵臓癌に対するS-1併用WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法とS-1単独療法のランダム化第Ⅱ相臨床試験」の先行研究として報告した。
Anticancer Res. 2018 Apr;38(4):2217-2225.
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【論文発表】再生医療学 小屋照継助教、下平滋隆教授の論文「WT1-pulsed Dendritic Cell Vaccine Combined with Chemotherapy for Resected Pancreatic Cancer in a Phase I Study」がAnticancer Research誌に掲載されました。
背景:Wilms' tumor 1 (WT1)は腫瘍関連抗原として汎用性が高い。外科的切除された膵臓がんを対象としてWT1を標的とした樹状細胞ワクチン療法の安全性を評価した。対象と方法:切除後の膵臓がん患者8例に対して、術後化学療法に上乗せした樹状細胞ワクチン療法を実施した。また、本療法の適用例を含む膵臓がんの34例に対して、WT1抗原の発現を免疫組織化学的に検討した。
結果:全例でWT1抗原やがん抗原を提示しうるHLA分子が検出され、本療法の良い標的疾患となることを確認した。本療法による発熱反応及び接種局所の発赤は忍容性があり、WT1特異的な細胞傷害性T細胞は7例に誘導が確認された。
結論:本研究により、WT1を標的とした樹状細胞ワクチンの安全性及び特異的能動免疫の誘導が示された。今後、切除可能膵臓がんの予後を改善する効能評価のために、本療法の前向き試験が検討される。
注)先進医療B課題「切除後の膵臓癌に対するS-1併用WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法とS-1単独療法のランダム化第Ⅱ相臨床試験」の先行研究として報告した。
Anticancer Res. 2018 Apr;38(4):2217-2225.