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【論文発表】臨床病理学 山田壮亮教授の論文「Histopathology on Atherosclerosis to Metabolic Syndrome Using Genetically Modified Animal Models」が金沢医科大学雑誌VOL43に掲載されました

 動脈硬化とその合併症は世界の総死因約3割を占めており、その克服は医学領域のみならず社会経済的にも特に重要な課題である。我々は、動脈硬化が病理組織学的に炎症を基盤とし発生・進展していることに着目し、そのメカニズム解明のため、マウス、ウサギ等の遺伝子改変モデル動物や培養細胞を用いた形態学、生化学、分子生物学の手法による解析とを統合した「形態から分子」に至る、幅広い視野での研究を行ってきた。さらに最近は、動脈硬化だけでなく糖尿病、NASH等を表現型とする「メタボリックシンドローム」というentityより俯瞰することによって、脂質を含む代謝プロセスの解明の中から、慢性炎症性疾患を多角的・包括的に捉え直すことを目指している。特に最近では、酸化ストレスが重要なアポトーシス誘発因子、つまり炎症誘発因子であることに注目し、抗酸化酵素ヒトPRDX4のトランスジェニックマウスを作製し、病態を解析したところ、動脈硬化だけでなく糖尿病、NASH等を含むメタボリックシンドロームに対するPRDX4の防御作用が示唆された。これらユニークな動物モデルの緻密な解析により、動脈硬化等の生活習慣病の病態理解に貢献することを目指している。

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