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糖尿病内分泌内科学、糖尿病腎の線維化における解糖系の異常活性化を題材とした原著論文「SIRT3 deficiency leads to induction of abnormal glycolysis in diabetic kidney with fibrosis」をCell Death & Disease誌に発表
本論文のトピックは腎尿細管、特に近位尿細管における異常解糖系が腎臓線維化に寄与していることを証明したもので、実験系は極めてシンプルです。ただし、「近位尿細管における解糖系」は、歴史的には“存在しない”と広く信じられてきました。名著、“The Kidney”にも同様の記載があります。しかしこれらは、50年程度前にex vivoを用いて行われた解析データに基づいており、尿流・血流は存在しない実験系での知見です。近年特に糖尿病領域で注目される尿中からの過剰な尿糖再吸収などは想定しえない解析です。この尿細管細胞における解糖系の存在に関して疑問を持ったことが本論文の着想となっています。結果として、糖尿病で線維化が生じやすいマウス系統では尿細管で異常解糖系が誘導されており、Sirt3抑制、HIF-1a活性化、PKM2二量体形成など丁度がん細胞に認められるWarburg効果に類似した代謝特性があることがわかりました。Joslin糖尿病センターから類似の報告が昨年先になされてしまいましたが、尿細管における糖代謝に関しては再度バイアスなしに再検証が必要であることを提唱することができました(文責 金崎)詳細はこちら