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【論文発表】糖化制御研究分野 髙田尊信講師の論文「Intracellular toxic advanced glycation end-products in cardiomyocytes may cause cardiovascular disease」がScientific Reports誌に掲載されました。

 ヒトの体内では非酵素的に糖と蛋白質が反応し、様々な終末糖化産物(AGEs)が生成・蓄積する。我々は果糖やブドウ糖の代謝中間体グリセルアルデヒドに由来するAGEsが、強い細胞障害性をもつことから、毒性終末糖化産物(toxic AGEs, TAGE)と命名している。これまで我々は血中TAGEが心血管疾患を促進する可能性や、血中TAGEと心血管疾患の危険因子に相関があるという基礎・臨床研究の結果を報告しており、本研究では「心筋細胞内に生成・蓄積したTAGEが、直積的に心血管疾患を引き起こす」という仮説を立てた。
 新生児ラット初代培養心筋細胞において、TAGE生成依存的に拍動数、細胞生存率および拍動/細胞生存を制御するオートファジー関連蛋白質LC3-II/LC3-Iの比が低下した。そしてAGEs生成阻害剤によりTAGE生成を阻害すると、拍動数、細胞生存率およびLC3-II/LC3-Iの低下が認められなかった。これらの結果は、細胞内TAGEが心筋細胞障害を介し、直接的に心血管疾患を引き起こす可能性を示唆する。

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