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糖尿病内分泌内科学 新田恭子「N-Acetyl-seryl-aspartyl-lysyl-prolineが糖尿病腎症1期症例において腎機能予測バイオマーカーとなる」をClinical and Experimental Nephrology誌に発表

 我々は長年、N-Acetyl-seryl-aspartyl-lysyl-proline(AcSDKP)の抗線維化効果やその生物学的機能に注目し基礎研究を行ってきました。先行研究において線維化を惹起しやすいマウスでは糖尿病誘導により尿中AcSDKP濃度が低下する事を見出し、人においてもAcSDKPが腎機能予測のバイオマーカーになるのではという着想を得ました。今回は尿アルブミン陰性、eGFR30ml/min/1.73mm2以上(糖尿病腎症1期相当)21人という少ない症例ながら、早朝第一尿AcSDKP/尿クレアチニン比、もしくは、空腹時血中AcSDKP濃度の低値群では高値群に比し有意にeGFR低下速度が速いことが〜4年間の解析で明らかとなりました。今後さらに大規模のサンプルでの解析結果を検討していく予定です。本結果は、現時点では有効なバイオマーカーが存在しない腎症1期症例に対し、AcSDKP濃度により腎機能低下ハイリスク群の抽出と、介入のきっかけを提供する可能性を示唆しています。

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