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本研究では、嗅神経を傷害したマウスを用いて、当帰芍薬散が嗅神経の再生に及ぼす影響を観察するとともに、嗅覚中枢における神経成長因子の関与を観察しました。さらに培養アストロサイトに対して、当帰芍薬散ならびにその構成生薬を添加することによる、培養細胞における神経成長因子産生への影響を観察しました。
その結果、当帰芍薬散の投与により、嗅神経の再生が亢進するとともに嗅球での神経成長因子の産生も亢進することが証明されました。また、培養アストロサイトを用いた研究により、当帰芍薬散の添加により神経成長因子の産生が増加し、6種の成分中の蒼朮と当帰が神経成長因子の産生を増加させるとともに、それぞれの成分であるAtractylodinとLevistolide Aが神経成長因子亢進作用を有することが証明されました。
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【論文発表】感覚機能病態学 能田拓也先生(頭頸部外科学助教)らの論文"Effects of Tokishakuyakusan on regeneration of murine olfactory neurons in vivo and in vitro"がChemical Senses誌に掲載されました。
嗅神経性嗅覚障害は予後が不良で、有効な治療法がないとされていました。近年の本学耳鼻咽喉科学教室をはじめとする臨床研究等により、嗅神経性嗅覚障害の代表的疾患である感冒後嗅覚障害に対して、漢方製剤の当帰芍薬散が有効であることが報告されています。しかし、有効性に関する裏付けはなされていません。本研究では、嗅神経を傷害したマウスを用いて、当帰芍薬散が嗅神経の再生に及ぼす影響を観察するとともに、嗅覚中枢における神経成長因子の関与を観察しました。さらに培養アストロサイトに対して、当帰芍薬散ならびにその構成生薬を添加することによる、培養細胞における神経成長因子産生への影響を観察しました。
その結果、当帰芍薬散の投与により、嗅神経の再生が亢進するとともに嗅球での神経成長因子の産生も亢進することが証明されました。また、培養アストロサイトを用いた研究により、当帰芍薬散の添加により神経成長因子の産生が増加し、6種の成分中の蒼朮と当帰が神経成長因子の産生を増加させるとともに、それぞれの成分であるAtractylodinとLevistolide Aが神経成長因子亢進作用を有することが証明されました。
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