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我々はHFCS飲料を11週齢のラットに13週間摂飲させ、正常肝臓内のTAGEを組織免疫染色法で検出するとともに、スロットブロット解析により初めて定量した。HFCS飲料群の肝臓内TAGEと血中TAGEは、それぞれ対照群の約3倍および1.5倍に増加し、正の相関を示した。一方で、HFCS飲料群の肝臓には脂肪滴、炎症、線維化がみられず、対照群と差がなかったため、本実験で生成したTAGE量では、NAFLD発症には至らないと考えられた。
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【論文発表】糖化制御研究分野 髙田尊信 (講師) の論文「Evidence for toxic advanced glycation end-products generated in the normal rat liver」が、Nutrients誌に掲載されました。
果糖ブドウ糖液糖 (HFCS) に含まれるブドウ糖や果糖は、肝臓でグリセルアルデヒド (GA) に代謝される。我々は、GAに由来する終末糖化産物 (AGEs) を毒性終末糖化産物 (Toxic AGEs, TAGE) と命名し、非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) を発症・進展させる可能性と、血中TAGEがその予防/早期診断/治療評価のマーカーとなりうることを報告してきた。しかし、これまで健常人の肝臓でのTAGE生成は証明されておらず、NAFLD患者の肝臓内TAGEは組織免疫染色法で検出されているが、定量法は存在しなかった。我々はHFCS飲料を11週齢のラットに13週間摂飲させ、正常肝臓内のTAGEを組織免疫染色法で検出するとともに、スロットブロット解析により初めて定量した。HFCS飲料群の肝臓内TAGEと血中TAGEは、それぞれ対照群の約3倍および1.5倍に増加し、正の相関を示した。一方で、HFCS飲料群の肝臓には脂肪滴、炎症、線維化がみられず、対照群と差がなかったため、本実験で生成したTAGE量では、NAFLD発症には至らないと考えられた。
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