記事のみ印刷する
詳細はこちら
新着一覧へ
【採択】免疫学・小内伸幸・教授/2019年度 第一三共生命科学研究振興財団 研究助成 研究課題:血液細胞分化経路における細胞系列分岐点の決定と急性骨髄性白血病の治療方法の開発
造血幹細胞は自己複製能と多分化能を備え、全ての血液細胞を産生し、生涯に渡って造血を維持している。現在広く受け入れられている血液細胞分化モデルは造血幹細胞を頂点とし、その直下に多能性前駆細胞が存在し、同前駆細胞から共通骨髄球系前駆細胞と共通リンパ球系前駆細胞へと分化する二分岐階層性モデルである。しかし最近の研究結果から多分化能を持つ共通骨髄球系前駆細胞がこの分画中には存在しない可能性が示唆され、分化モデルを再考する必要がある。我々は新しい細胞表面マーカーXを見出し、Xによって共通骨髄球系前駆細胞がX陽性とX陰性の亜群に分かれ、前者が骨髄球系細胞のみ、後者が赤血球系細胞飲みに分化することを明らかにした。また、共通骨髄球系前駆細胞の上流の多能性前駆細胞もX陽性とX陰性へと亜群に分かれることを見出している。さらにマウス急性骨髄性白血病モデルにおいて癌幹細胞上にXが発現し、がん治療の分子標的となる可能性も示唆された。本研究では、血液細胞分化経路の正確な分岐点を明らかにし、急性骨髄性白血病における新規治療方法の開発を目的とする。詳細はこちら