bulletin2021_1
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EDUCATIONALPHILOSOPHY5  医学部における6年間の学士課程の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)は、卒業時点でのアウトカム評価として、一般教養を身につけることにはじまり、「医師としてのプロフェッショナリズムの基盤」が形成されていることが要求され、それを満たした者に卒業証書が与えられます。第1〜3学年の医学専門科目の学習では、従来の各専門科目別の縦割りのカリキュラムを廃し、学生オリエンテッドの専門科目のユニット構成による「統合型カリキュラム」を導入しております。実地体験学習を重視し、「臨床実習前教育」や「早期臨床体験実習」の体験から医療のあり方について考え、モチベーションを高めます。第3学年修了の時点で行われる「共用試験」は、全国医学部共通の形で行われ、第4〜6学年に進級して「スチューデント・ドクター」として患者に直接接することが許されるための知識・資質・態度を身につけているかを見極める試験です。この試験の合否は全国レベルで検討され、「前・国家試験」の役割を担い、第4学年への進級の合否判定資料となります。第4〜6学年での「診療参加型臨床実習(CCS: Clinical Clerkship)」では、スチューデント・ドクターとして患者に直接接することを重視し、同時に患者の承諾を得て、許される基本的な医行為を実施します。学生はシミュレータなどを用いてこれらの手技に事前に習熟します。また医療における多職種連携の重要性を学ぶ機会となり、十分な自覚を持って医療チームの一員に加わって経験を積みます。以上の医学部学士課程の達成度の判定を経て、医師としてのプロフェッショナリズムの基盤形成ができたと判断された者が卒業を許され、医師国家試験に臨みます。 看護学部では、第1学年前期から基礎看護学実習をスタートし、第3学年では看護学各専門領域の実習を通年で行い、実践の経験を積みながら、基礎知識の習得や臨床現場での考える学びに励みます。第4学年は、看護学部学士課程4年間の集大成ともいえる総括的学習と看護師・保健師・助産師国家試験の準備を行います。本学看護学部卒業生の国家試験の成績が伝統的に全国でトップレベルであることを誇りとしています。 人類の歴史の中で、現代ほど生命科学が進歩・発展した時代はありません。21世紀に入り、ヒトの全ゲノム塩基配列の解読、iPS細胞の樹立、再生医療の開発、さらには人工知能(AI)の医療への進出等と、将来医学・医療に大きな影響を及ぼすと予想される成果が次々と報告されています。人の命をあずかる医療に携わる者には、このような急速な進歩やそれに伴う情報量の増加に対応して、生涯にわたって学習や研鑚に励み、安全で最良の医療を提供する責務があります。これは人の命をあずかる医療職に課せられた当然の責務であることを忘れてはなりません。EDUCATIONAL PHILOSOPHY学びの環境 金沢市に隣接する内■の地にある本学は、日本海に臨み、立山連峰、霊峰白山、医王山を仰ぎみる広大な自然環境に恵まれています。藩政時代に新井白石をして「天下の書府」と言わしめた学都金沢は、医学教育にも長い歴史と伝統があります。「善の研究」の西田幾多郎の出身地は内■に隣接するかほく市にあり、西田幾多郎記念哲学館は本学からは日常の散策の範囲内にあります。また石川県には高等教育機関が多く、現在13の国公私立大学を擁し、高等教育、人格の陶冶、国際レベルで活躍するための良い環境を提供しており、金沢で学んだことを生涯の誇りとすることができるでしょう。 本学は教育職員450名、医療職員1,750名を擁し、研究・教育設備を充実させ、良き師弟、良き友との出会いを大切にし、互いに切磋琢磨する場を提供しています。また、豊かな思考力と良識に基づいた判断力、確固とした倫理観を持った、人間性豊かな医療プロフェッショナルを育成することに力を注いでおります。多様な人材が医療のプロとして育ち、やがて社会に大きく貢献してゆくことが本学の教育の究極の目標とするところであり、教職員一同これを社会的使命と考え、有為の若者の参加に大きな期待をかけております。

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