bulletin2021_1
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COMMUNITYMEDICINENORTHERNNOTO I NSTITUTEFOR1年目2年目3年目<「総合診療専門医」として求められる医師像>70訪問診療地域志向アプローチ地域志向アプローチ3カ年モデルローテーション例6月 高齢になると複数の疾患を持つようになるため、それぞれの疾患の専門医を受診することは非効率で的を射た医療を受けられない。呼吸器、循環器、糖尿病等複数の臓器系での疾患を同時に抱えていても、患者の社会的背景や家族背景を加味して、その患者を包括的に診る訓練を受け、患者を長期的に適切に管理し、疾患の発症や重症化、再発を抑えることができるような専門医によるケアが求められている。多様な健康問題・予防医療に対する包括的なアプローチは、慢性疾患や重症化に対して予防効果も持つことからも、地域で住民の健療管理に責任を持てる「プライマリ・ケアの専門医」の制度を確立する必要がある。また、2025年問題の地域医療構想で病床15万が削減されることから、来てもらう医療から伺う医療「在宅医療」へ大きく舵が切られていくとが想像される。このような日本の社会情勢を見据えて、本研究所では奥能登の医療資源をフルに使い、第19番目の専門医である「総合診療専門医」を育成するプロジェクトを展開している。4月5月内科研修(12カ月) 金沢医科大学病院又は連携病院5月4月4月5月総合診療専門研修Ⅱ(12カ月) 公立穴水総合病院 総合内科 病棟診療・外来診療7月8月6月総合診療専門研修Ⅰ(6カ月) 兜診療所・訪問診療・在宅療養支援センター・地域包括ケア等7月8月6月7月8月9月10月9月10月9月10月11月12月1月11月小児科研修(6カ月) 金沢医科大学病院又は連携病院12月1月11月12月1月2月3月2月救急科研修(6カ月) 金沢医科大学病院又は連携病院3月2月3月連携重視のマネジメント連携重視のマネジメント人間中心の医療・ケア包括的統合アプローチ 人間中心の医療・ケア包括的統合アプローチ 総合診療専門医総合診療専門医総合診療専門医総合診療専門医のののの医師像医師像医師像医師像公益に資する職業規範公益に資する職業規範診療の場の多様性診療の場の多様性■ 「 総合診療専門医(プライマリ・ケアの専門医)」を養成地域医療の研修・開発施設として金沢医科大学能登北部地域医療研究所NORTHERN NOTO INSTITUTE FOR COMMUNITY MEDICINE所長 中橋 毅 Director: Prof. NAKAHASHI Takeshi, M.D., Ph.D. 金沢医科大学能登北部地域医療研究所は、2010年8月に公立穴水総合病院(石川県鳳珠郡穴水町)内に設置された。少子高齢化が進む日本に必要な地域医療の臨床・研究・教育の現場としての機能を担い、能登北部における本学の地域貢献の拠点となっている。医学生や看護学生を対象とした体験型の実習プログラムや医学部高学年への参加型の実践プログラムを提供することで医療従事者の育成にも尽力している。 また、総合診療医を目指す医師のために「北陸総合診療コンソーシアム穴水総合病院プログラム」を有し、これからの日本に求められる総合診療専門医の育成に努めているほか、さらにスキルアップを望む医師のために、サブスペシャリティーとして日本プライマリ・ケア連合学会認定新家庭医療専門研修プログラムである「穴水家庭医療専門研修プログラム」も用意されている。さらに、多職種チームによる在宅医療研修会や夏季セミナーなども開催され、地域の医療ニーズに応じた人材育成・地域貢献を続けている。

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