金沢医科大学 医学部案内2023
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Topics近年、日本の医学会において研究活動の活性化が急務とされています。本学では、2021年度より先進医療を推し進める研究医の育成を目的に、入学者選抜における研究医枠を設けました。研究医コースでは、医学部第3学年から大学院医学研究科の共通科目を履修し、卒業と同時に初期臨床研修と並行して研究を開始することができます。さらに大学院医学研究科の入学金の補助や単位修得者への奨励金給付などの特典が受けられます。専用キットで細かく粉砕し、膝に注射します。軟骨や半月板を再生するわけではありませんが、投与によって痛みを和らげることで健常な生活に近づけることができます。現在はまだ保険適用外ですが、これから投与例が増えて、機能回復に有効な選択肢として定着し、いずれは海外のように外来で行える日が来ることを期待しています。研究の根底にあるのは患者さんを手助けしたい気持ち医療にはどうしても限界があるのが現実です。しかしエムファットのような新しい治療法が確立されれば、その限界値を引き上げることができ、患者さんにとっての大きなメリットになります。「目の前の患者さんの手助けをしたい」という感情が生まれるのは医師として当然のことで、私にとってはそれを実現するための手段が臨床研究でした。本院は非常に研究に取り組みやすい環境にあると思います。私自身がそうだったように、学位取得までは、研究に専念できるように医局全体でサポートしてくれる土壌が受け継がれています。博士の学位を取得すれば、将来国際的な発言もできるようになります。私自身は、これからは後輩の指導も兼ねて研究に取り組み、日々の診療のなかで一人でも多くの患者さんの手助けをしていきたいと願っています。第1学年 菊池 正浩 (宮城県出身)山中伸弥医師によるiPS細胞の研究に触発されて研究医への憧れを抱くようになりました。また、震災時の行動で「世界で最も影響力のある100人(米国TIME誌)」に選出された菅野武医師の考えにも感銘を受け、地域医療にもかかわりたいと思うように。大学の進路を決めるにあたって、金沢医科大学に研究医枠があること、再生医療と地域医療に力を入れていることを知り、自分にぴったりだと思って出願しました。将来は自分が担当する患者さんに寄り添いながら再生医療や遺伝子治療の分野における研究に挑戦し、世界中の臓器移植を待つ患者さんに希望を与えられる存在になりたいと思っています。患部にエムファットを投与する治療の様子35医師になるための勉強は大変だけど夢があるからがんばれる医学部から続く「研究医への道」Voice

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