金沢医科大学 医学部案内2023
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患者さんの悩みを受け止め優しく寄り添う医師でありたい「神の手」ではなく、「私の手」で患者さんを痛みから救う先輩たち。自ら進んできた道を振り返り、医療の最前線で奮闘する姿を紹介します。Profile大阪医科大学病院臨床実施・研修、医学博士、国立ローマ大学客員教授、ふるさと石川の医療大使、ペインクリニック専門医、整形外科専門医、麻酔科専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、プライマリーケア学会専門医Profile外科専門医、日本大腸肛門病学会専門医、内痔核治療法研究会会員、日本臨床肛門病学会 技能認定制度認定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、金沢医科大学病院女性総合医療センター 女性肛門病専門外来特定教授36小林クリニック理事長・院長草間かほるクリニック自らの体験が今の道に進むきっかけに医科大生のときに交通事故に遭い、顎と腰の痛みで苦しんでいたときに紹介されたのがペインクリニック(痛みを取り除く治療)でした。神経ブロックという注射で症状が治癒したことで、自分もそのすばらしさを広めたいと思ったのが出発点です。卒業後は、痛みの治療において世界的権威である大阪医科大学病院で基礎と臨床を徹底的に学びました。1995年に開業し、整形外科、麻酔科(ペインクリニック)、リハビリテーション科、外科、一般内科、心療内科、漢方や鍼灸治療などの東洋医学にいたるまで、多くの科を標榜しています。神経ブロック療法などのペインクリニックの治療は特別な注射が基本です。治療により最大限の効果を引き出せるかは医師の力量によるものであり、全国各地から患者さんが来院しています。また、神経ブロック治療を学びたい医師も研修に来ています。世界の次世代のリーダーに選出されるこれまでの仕事が評価され、2020年度のニューヨークタイムズ紙のNext Era Leaders(世界の次世代のリーダー)に選出されました。ペインクリニックは、医師の幅広い知識や経験、技術を必要としますが、一般の知名度がまだ低く、以前からテレビや雑誌でその必要性を伝えています。当院では、治療後のすべての患者さんが目に入る位置で診察をし、笑顔の対応、そして話に耳を傾け、分かりやすく、納得のできる説明をすることで患者さんとのコミュニケーションをとり、ベストな治療を心がけています。心は「何時でも患者さんを痛みから解放する、そして失敗しない」という覚悟に満ちています。医師に必要なのは、正確な技術とあと残りは患者さんの気持ちになることです。金沢医科大学は、一言でいうとすばらしい学び舎。学生時代は良く学び、良く遊び、打倒国試です。医師になったら社会勉強と患者さんを選ばず救うことが大切です。指導医に導かれ肛門領域の専門医に学生時代に外科系に魅力を感じ、消化器外科に入局しました。肛門の診療領域を選択したのは、指導医の先生より、肛門の治療と大腸内視鏡の勉強をすすめられた頃に、偶然出張先で肛門の手術に立ち会う機会があり、さらに関心を持つようになったことがきっかけでした。肛門疾患の多くは良性ですが、とてもデリケートな部分であり、人知れず悩む患者さんが沢山おられます。ひとりでも多くの患者さんの力になれたら・・・なりたいと思い、肛門専門のクリニックを開業しました。 “たかが肛門・・・されど肛門” 実はとても大切な場所痔を患う女性は珍しくありません。しかし、「恥ずかしい」「診察や治療が不安」で、なかなか受診・相談できず悩んでいる方がまだまだ沢山いるのが現状です。私のクリニックでは女性の方も安心して受診しやすい環境づくりを大切にし、日々の診療では患者さんが話しやすいように、また私からは丁寧に分かりやすい言葉で説明するよう心がけています。学生と教員の距離が近い面倒見のよさが魅力現在の金沢医科大学は本学卒業生の教員が増えたこともあり、学生と教員のみならず学長や理事長との距離も近く、気軽に相談できる環境が整えられていると感じます。人そして命と向き合う医師の仕事には、医師だからこそ味わえる喜びや感動がたくさんあります。大切なのは、自分のためではなく、相手のために何ができるかということ。患者さんやご家族に関心を持ち、そのときにできる精一杯のことをできる医師であってほしいと願います。小林 裕史 医師(1984年卒業)草間 香 医師(1993年卒業)輝く卒業生たち金沢医科大学で良医への第一歩を踏み出し、現在はそれぞれのステージで輝きを放つ

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