金沢医科大学 医学部案内2023
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北陸の地域医療を支え、医療の未来を拓く、日本屈指のメディカル・センター金沢医科大学病院・地域医療本院の小児外科は先進的な高度医療の導入において北陸の小児医療を牽引してきました。2021年には、小児外科、小児心臓血管外科、脳神経外科部門、各専門分野のスタッフが共同で診療ができるセンターを開設。これらの部門がそれぞれの診療科の垣根を越えて連携をとりながら診療を展開することで、高度な外科医療を必要とする子どもたちに最適なタイミングで手術・治療を行うことができます。機能を失った組織の修復やがんに対する身近な治療として、幹細胞や体細胞を用いた再生医療が発展しています。再生医療を提供するために、2016年に北陸初の臨床・研究・研修の拠点として再生医療センターが稼働しました。Nature Spotlight on Kanazawaに掲載された再生医療のリアルワールドを実現する国内屈指の施設です。センターでは樹状細胞ワクチンを用いたがん免疫療法や皮下脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた再生医療等の提供だけでなく、新型コロナウイルス感染症に対する再生医療等の技術開発にも注力しています。再生医療に従事する専門医療人の育成に努め、台湾高雄医学大学および中国華中科技大学との国際交流も推進しています。患者さんに対して最低限の負担で最良の効果をあげられる機器を積極的に導入しています。手術支援ロボット(ダヴィンチ)の最新機器導入をはじめ、2019年には北陸3県で初の外来手術室を開設するなど、大学病院としてのスケールメリットを存分に生かした診療・教育環境を整えています。高齢化が進むことで、在宅医療の充実や医師・看護師不足の解消など、多くの課題を抱える地域医療の現場。地域医療の進むべき道は、世界の医療界共通の課題として重要視されています。本学では、その重要性に早くから着珠郡穴水町(石川県)において、目し、氷見市(富山県)と鳳医療崩壊の危機を立て直し、地域が求める総合診療医を地域で育成してきました。複数の疾患をもつ高齢者に対しては、本人の社会的背景や家族背景を加味した包括的なアプローチが必要です。患者さんを長期的に適切に管理し、疾患の発症や重症化、再発を抑えることができるような専門医によるケアが求められており、総合診療医には地域医療の柱として活躍が期待されています。ほうす2002年に石川県内の医療機関に先駆けて女性総合外来を設け、その機能をさらに強化拡充する形で「女性総合医療センター」を開設しました。医師およびスタッフはすべて女性で構成され、初診時は問診に時間をかけ、必要であれば専門の診療科への橋渡しを行います。2019年には日帰り手術のできる「女性肛門病専門外来」を新設。診療にあたる医師にはジェネラリスト(総合医)であると同時に女性の心と身体のスペシャリストであることが求められます。本センターは、女性医師のワークライフバランスにも配慮し、性差医療における深い洞察力とスキルを有する女性医師を育てる役割も担っています。ゲノムとは個体の持つ遺伝子情報全体を意味します。次世代型ゲノム解析室を設置し、先天性・遺伝性疾患、希少難病、難治性・遺伝性のがんの患者さんに対し、高水準のゲノム医療(遺伝学的診察、遺伝カウンセリング、遺伝学的検査)を提供。また、ダウン症をはじめとする先天性疾患の療育相談も行っています。臨床の場にゲノム解析データを提供している全国でも稀な施設であり、臨床遺伝専門医によるカウンセリングと遺伝子診断が同一施設内で完結できる利便性の高さが特長です。執刀医手術支援ロボット「ダヴィンチ」を操作する執刀医(写真奥)と手術スタッフ(写真手前)40小児高度外科医療センター再生医療センター女性総合医療センターゲノム医療センター最先端診断・治療機器地域医療

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