医学研究科長メッセージ
金沢医科大学大学院医学研究科は、医学、生命科学全般にわたる幅広い学識を基に、独創的な医学研究あるいは高度な専門医療を実践して地域社会、国際社会に貢献する医療人の育成を目指しています。生命医科学専攻のもと、基礎・社会医学と臨床医学を融合させた3つの専門分野(生体機能形態医学分野、生体制御医学分野、健康生態医学分野)を設置しており、以下のような特長があります。
全学的な教育研究体制
基本方針として「学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)」、ディプロマ・ポリシーを達成するための「教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)」、ならびに「学生の受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)」の3つのポリシーを定めて教育研究を行っています。3つの専門分野それぞれにおいて、基礎・社会医学講座、臨床医学講座、総合医学研究所の教員による複数教員指導体制をとることにより、基礎・社会医学と臨床医学の枠を超えた学際的・複合的な研究を推し進めています。
研究支援を行う全学的な組織である臨床研究支援室では、研究計画の立案から論文の作成までの研究全般に関する大学院生からの相談に対応しています。また、金沢大学と連携して設立した研究医養成のための組織である「金沢学術アカデミー」において、医学研究の基礎的な知識と技術に関するトレーニングコースを開講しています。
多様な受け入れ体制
社会人の入学生を受け入れるため、同じ講義・演習を昼と夜に2回行う昼夜開講制を導入しています。また、中国姉妹校をはじめとする海外留学生の受け入れを積極的に行っています。2021年度からは、研究医を育成するための取り組みとして、医学部第3~6学年に大学院医学研究科の共通科目を修得し、医学部卒業後、本学病院での初期臨床研修開始と同時に大学院医学研究科に入学して研究を開始することができる、研究医コースを開設しました。
新たな医療ニーズに対応した教育課程コースの設置
高齢化が進む現代においては、がんや認知症を専門とする医療人の育成が求められています。これらの医療ニーズに対応するため、「北信のシームレスながん医療を担う人材養成(次世代北信がんプロ)」、「北陸認知症プロフェッショナル医養成プラン(認プロ)」、「医歯工法連携による次代の法医学者および地域関連人材の養成(医歯工法プロ)」による、がん、認知症専門医ならびに臨床法医学者養成系コースを設置しています。これらは、北陸等の複数の医療系大学が共同で取り組んでいるプログラムで、e-Learningシステム等を活用した講義・演習が行われています。また、共通科目として大学教員養成プログラム、産学連携ガイダンスを開講しています。
金沢医科大学大学院医学研究科の修了生には、高度化と多様化が進む医学・医療に対応して生涯にわたって研鑽を行うとともに、「明日の医学・医療」の視点に立って次世代の医療人の育成においても指導的な役割を果たすことを願っています。