豊かな人間性と倫理観を備え、
主体的に看護の質向上に向けて生涯学び続ける看護職者に
医療の高度化、少子高齢化、過疎化等の社会背景の変化に伴い、従来の病院完結型医療から地域完結型医療に移行し、それにより看護職には地域包括ケアの視点に立って看護の対象を生活者として捉えること、また多職種連携における調整者としての役割が期待される等、これまでとは看護職者に求められる役割や能力が変化してきています。これに対応するために、文部科学省・厚生労働省は平成31年度から「コア・カリキュラム」を導入した新たな看護基礎教育を打ち出しています。その中にはこれまで以上に卒業時の到達目標として科学的根拠に基づいた看護実践力の修得、そして看護専門職として看護の質向上に向け生涯学び続ける自己学習力の修得等が含まれています。
本看護学部においてもこのような変化に合わせてディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)として「豊かな人間性と倫理観」、「看護学知識と技術、及び実践力」、「地域志向を視野に入れた専門性の獲得」、「生涯学習能力」、「国際的視野の獲得」の5つの能力を上げ、卒業時にはこれらが修得できるようにカリキュラムが組まれています。しかし、これらの能力は一朝一夕で得られるものではなく、日々、自ら考え、主体的に行動し、探求することによって身についていくと考えます。本看護学部では学生の持っているはかりしれない可能性を信じ、そしてこれらの能力が一人ひとりの学生に身につくように教職員が支えていきたいと考えています。
本学看護学部は開設から10年が経過しました。その間に受け継がれてきたことは、看護は様々な健康のあらゆる年齢の方々を対象とすることから、看護職者となる学生自身が豊かな人間性を身につけること、そして生命への畏敬・人としての尊厳を基盤に置いた高い倫理観を身につけることです。また、高い看護実践力の修得を目指して、他大学に先駆けてOSCE(客観的臨床能力試験)の導入やシミュレ−ション教育の充実を図っています。学生の皆さんがこれらを受け継ぎ、充実した学生生活の中で学びを深め、一人の看護職として成長していくことを期待しています。