患者の皆様へ

対象疾患

 腫瘍内科は、臓器によらず、様々ながんの治療に精通しています。以下の臓器別がんを主に診療しますが、抗がん剤治療の希望の方は、お気軽にご相談ください。
―食道がん、胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん、頭頚部がん、乳がん、肉腫(骨軟部腫瘍)、神経内分泌腫瘍、原発不明がんー

当科診療の特色

 当科では、胃がん・大腸がんをはじめとする消化器系がんの抗がん剤を中心に、骨や筋肉にできた肉腫等の悪性骨軟部腫瘍、骨転移のみなど原発部位の同定が困難な原発不明がんなど、その診断から治療に至るまでを外来と入院の両体制で診療しています。外来部門では、自科症例の治療はじめ、集学的がん治療センターと呼称した外来化学療法を専門に扱う「外来化学療法室」の管理・運営、抗がん剤レジメンの変更や再開、新規外来導入に際し専門的立場から院内全体の薬物療法について安全に実施できるよう管理しています。ご高齢の方、多くの基礎疾患を持つ方あるいは抗がん剤治療で重篤な副作用が発生した際には、専門性の高い他診療科と院内連携を通して質の高い診療を実施しています。がんの診療において、患者さんが質の高いQOLが常に保たれるよう医師ばかりでなく看護師、薬剤師をはじめとするコ・メディカルスタッフと協力しながら診療科全体で責任をもって対応しています。

外来化学療法

通常の日常生活を送りながら継続した抗がん剤治療が外来でも可能にすることを目的に、2002以降全国各地に外来化学療法室が立ち上げられました。こうした社会ニーズもあり、金沢医科大学病院では、2006年外来化学療法センターとして「集学的がん治療センター」が開設しました。各診療科単位で実施されていた化学療法を、専門性の高いスタッフにより安全に行い、患者さんには個室の空調完備された快適な外来化学療法のみを行う部屋で安心して治療を受けていただくことが可能です。当科は、他の診療科と協力・連携し、外来化学療法室の管理、運営、診療において中心的な役割を担っています。

がんの新たな治療薬開発に向けて

新たながんの治療薬や治療法の開発なくして医学の進歩はありません。がんの薬物療法においても同様に、治療成績向上に向けた新薬の臨床試験(保険診療で認められていない)が必ず必要となります。ただし、新しい治療法の導入には、十分な科学性・安全性ならびに倫理性の確認に基づき倫理委員会で承認された試験が対象となります。当科でも新しい治療薬の臨床試験や治験への積極的参加に取り組んでいます。

医療機関の皆さまへ

当科の診療について

当科への紹介

新患は、完全予約制です。月~金曜まで毎日新患を受け付けています。
ご紹介いただく際は、診療情報提供書に検査データ、画像データや薬剤情報などを添付したものを同封頂けますとありがたく存じます。
紹介の方法は、地域連携室のページをご参照ください。

緊急に相談や紹介が必要な場合はお電話でご相談ください。
腫瘍内科外来 076-286-2211(代表) 内線5619
腫瘍内科医局 076-286-2211(代表) 内線3992

再来

外来診療担当表はこちらをご覧ください。

当科では、日本臨床腫瘍学会・がん薬物療法専門医、日本がん治療認定医機構・がん治療認定医などがん治療専門医が診療いたします。
対象疾患は、食道癌・胃癌・大腸癌・膵癌・胆道癌・乳癌をはじめ、神経内分泌腫瘍、原発不明がん、肉腫など骨軟部悪性腫瘍といった稀少癌にも対応しています。肉腫の紹介症例が増えています。また、歯科口腔外科領域癌の化学療法を担当し、主科が外科的治療に専念できるよう質の高い連携を行っています。
専門性から悪性腹水を合併した胃癌腹膜播種の薬物治療にも注力しています。

ここ3年間の当科で経験した悪性疾患は以下のごとくです。

頭頸部癌3例
食道癌3例
胃癌11例(高度癌性腹膜炎例 3年半健在)
大腸癌13例
膵癌9例(腺房細胞癌 1例)
胆道癌3例
小腸癌2例(MSI-H 1例)
子宮頸癌2例
卵管癌2例
腹膜偽粘液腫2例
肺癌2例
十二指腸癌1例
皮膚癌2例(メルケル細胞癌 1例、乳房外Paget病 1例)
悪性黒色腫1例(食道悪性黒色腫 1例)

稀少癌
神経内分泌癌3例
原発不明癌8例
骨軟部肉腫16例(平滑筋肉腫 4例、血管肉腫 2例、脂肪肉腫 2例、横紋筋肉腫 1例、ほか)

診療案内

外来診療は、外来診療棟2階の I ブロック受付、入院診療は新病棟5階東の5床で行っています。新規にご紹介頂いた患者さんは、外来で診察を受け必要な検査が予定されます。入院で治療を開始するにあたり、入院説明を主治医ならびに外来ナースより行います。治療方針は、週1回開催するカンファレンスにて議論され治療計画が立てられます。担当医より治療薬(がんの薬物療法薬)について治療効果や想定される副作用の説明があり同意書をいただいた後、治療を開始します。予定される入院期間についてあらかじめご説明しますが、実際の治療により副作用の出現状況は様々ですので、患者さんごと治療効果の評価・副作用の発現状況、もともとの基礎疾患等をみて、薬剤投与量の減量、継続あるいは治療法変更を検討します。

専門医による標準的な治療

金沢医科大学病院は日本臨床腫瘍学会の研修認定施設となっており、腫瘍内科には日本臨床腫瘍学会専門医であるがん薬物療法専門医が在籍しています。主に進行した悪性固形腫瘍(血液がんを除く)、様々なリスクのある基礎疾患をお持ちの患者さん、肉腫など悪性骨軟部肉腫や原発不明がんの患者さんを対象に高度かつ専門的な薬物療法を行っています。

症例検討会

当科では、新規に入院治療を開始される患者さん、治療継続中だが治療法見直しの必要な患者さんなど毎週行われる症例検討会(カンファレンス)で医局全員の参加のもと患者さん毎に治療法の検討を行い最適な治療法の選択を行っています。キャンサーボードというがん診療にかかわる多診療科が集まる症例検討会を定期的に開催し、薬物療法・外科療法・放射線療法などの治療法を総合的に評価し、各々の診療科が連携し、集学的アプローチによる高い治療効果も得られています。

告知について

患者さんご自身が、自分の病気や治療に対して十分に理解し、納得していただいた上で、抗がん剤治療を進めます。そのため、当科では、全ての患者さんに病名・病状を正確に告知したのち同意を得てから診療・治療を行っています。

地域医療連携

当院は、石川県内が定めた指定要件を整えた地域がん診療連携拠点病院に指定されています。広域能登地域を含めた石川県北部地域の病病・病診連携を行っています。抗がん剤を初めて開始した患者さんの自宅近くでの継続治療をはじめ、化学療法後の副作用対策・栄養管理や入院病床も限られることなどから近隣の医療機関に積極的に依頼しています。近隣医療機関は親身で丁寧な対応をしていただいており、安心して遠方の患者さんも治療をお受けいただけます。

セカンドオピニオン外来

当科は、セカンドオピニオンに対応しています。がんの治療に関して疑問があるときには遠慮なくご相談ください(窓口は、病院ホームページ上セカンドオピニオン外来をご参照)。完全予約診療となります。お問い合わせ番号は、電話076-286-3511(内線6004,6005) FAX0120-076-286(フリーダイヤル)

外来担当医

腫瘍内科・集学的がん治療センター

診察室1診診察室2診診察室3診[緩和ケア外来]
安本 和生教授外来担当医[本間恵子医師]
安本 和生教授外来担当医
外来担当医外来担当医
午前:安本 和生教授
午後:がんゲノム外来(予約制)
外来担当医[本間恵子医師]
外来担当医外来担当医
午前:安本 和生教授(第2・4)
場所病院中央棟 I ブロック
新患月~金 午前9時から15時(完全予約制)
再来月~金 午前9時から15時、 土 午前9時から12時
専門外来(がんゲノム外来)木 午後2時~4時(完全予約制)