教室のご紹介
ごあいさつ
金沢医科大学心臓血管外科は成人心臓血管外科,小児心臓血管外科,末梢血管外科のすべての領域を同一の医局でシームレスに提供しています。患者さんの病態,ADL等を考慮し,最も適していると考える治療法を領域にこだわることなくcustom-madeで進めていけるよう取り組んでいます。
弁膜症に対する弁置換術,大動脈に対する人工血管置換術,末梢血管に対するバイパス術から自身の弁を温存する弁形成術,大動脈を温存するステント内挿術を積極的に行っています。さらに,これらの手術を胸骨を温存した低侵襲心臓血管外科手術やカテーテル手術で行うことで,患者さんの術後のADLを向上させ,早期の社会復帰を目指します。胸骨温存手術やカテーテル手術といった最先端の治療法を北陸地方の患者さんに広く提供し,より多くの患者さんに手術を受けていただきたいと考えています。
当大学病院は,日本海側で唯一の私立大学病院であり,北陸地方の基幹病院のなかでも数少ない民間病院です。国公立の病院ではなかなか難しい迅速な検査や治療を提供し,これまでに整備された施設を生かして多くの患者さんに良質な医療を提供していきます。
髙野 環
略歴
- 1991年 弘前大学医学部卒業,信州大学医学部第二外科
- 1997-2000年 アメリカBaylor医科大学外科研究員,講師,助教授
- 2001年 信州大学医学部第二外科 助手
- 2003年 イタリアG.D Annuzio大学
- 2009年 信州大学医学部第二外科 講師
- 2012年 ドイツ Berlin大学, Kerckhoff HeartCenter,Leipzig大学
- 2015年 長野赤十字病院心臓血管外科部長
- 2019年 金沢医科大学 心臓血管外科特任教授
教室の沿革
1973年7月金沢医科大学暫定病院として浅野川病院において循環器外科外来を開始し,1974年9月に金沢医科大学病院開院に伴い10月1日より胸部外科が診療を開始した。
10月23日開心術第一例目(心室中隔欠損閉鎖)に成功。2004年4月呼吸器外科が独立する。
2016年4月1日より循環器疾患の診療体制の再編を目的として坂本 滋前教授のもとで循環器センターが開設され,成人心臓血管外科,小児心臓血管外科,末梢血管外科の3本柱で診療を行っている。
歴代教授
- 1973年 4月 山口 繁 教授(講座主任)就任
- 1982年 4月 清水 健 教授(講座主任)就任
- 1998年 5月 松原 純一 教授(講座主任)就任
- 2007年 9月 秋田 利明 教授(講座主任)就任
- 2016年 9月 坂本 滋 教授(講座主任)就任
- 2021年 4月 髙野 環 教授(講座主任)就任
スタッフの紹介
-
診療科 心臓血管外科科長 資格 医学博士
心臓血管外科専門医認定機構修練指導者
日本胸部外科学会指導医
日本外科学会指導医
腹部ステントグラフト指導医
Society of Thoracic Surgeons会員専門分野 成人心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、不整脈疾患、心不全)
末梢血管疾患治療(静脈系疾患含む) -
診療科 心臓血管外科 資格 医学博士
日本胸部外科学会認定医
心臓血管外科専門医認定機構専門医
日本外科学会指導医
日本外科学会専門医
臨床研修指導医専門分野 成人心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、不整脈疾患、心不全)
末梢血管疾患治療(静脈系疾患含む) -
診療科 心臓血管外科 資格 医学博士
日本外科学会専門医
心臓血管外科専門医認定機構専門医
日本脈管学会専門医
日本血管外科学会認定血管内治療医
胸部ステントグラフト実施医・指導医
腹部ステントグラフト実施医・指導医
浅大腿動脈ステントグラフト実施医
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術施行医・指導医
日本心臓リハビリテーション学会指導士
日本集中治療医学会推薦インフェクションコントロールドクター
臨床研修指導医専門分野 成人心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、不整脈疾患、心不全)
末梢血管疾患治療(静脈系疾患含む) -
診療科 心臓血管外科 資格 心臓血管外科専門医認定機構専門医
日本外科学会専門医
胸部ステントグラフト実施医
腹部ステントグラフト実施医・指導医
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術施行医専門分野 成人心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、不整脈疾患、心不全)
末梢血管疾患治療(静脈系疾患含む) -
診療科 心臓血管外科 専門分野 成人心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、不整脈疾患、心不全)
末梢血管疾患治療(静脈系疾患含む) -
診療科 心臓血管外科 専門分野 成人心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、不整脈疾患、心不全)
末梢血管疾患治療(静脈系疾患含む) -
診療科 心臓血管外科 専門分野 成人心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、不整脈疾患、心不全)
末梢血管疾患治療(静脈系疾患含む) -
診療科 心臓血管外科 専門分野 成人心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大動脈解離、大動脈瘤、不整脈疾患、心不全)
末梢血管疾患治療(静脈系疾患含む)
金沢医科大学病院 循環器センター(平成28年4月1から)
(坂本 滋、髙野 環、永吉靖弘、坂本大輔、藤井大志)
*末梢血管外科
(坂本 滋、髙野 環、永吉靖弘、坂本大輔、藤井大志)
*カテーテル治療科(北山道彦、土谷武嗣)
(循環器内科)(小児科:小児循環器)
当科の手術の特徴
弁膜症に対しては,僧帽弁形成術,大動脈弁温存基部置換術(David手術)といった自己の弁を温存する手術を第一に行っています。ご自身の弁を温存するだけでなく,より小さな侵襲で手術を受けて頂くために,僧帽弁や右心系の疾患では6-8cmの肋間小開胸によるポートアクセス法,大動脈弁置換やオープンステントグラフトでは10cm程度の胸骨部分切開によるMICS手術も積極的に行っています。この方法では,手術後の早期の回復が期待されるだけでなく,出血や感染症の発生も低いと考えられています。CABGでは脳血管に狭窄がある場合にはOPCABを行い,心機能が低下しているなど必要な場合には人工心肺を用いて血行再建を確実に行うようにしています。
大動脈手術でも手術の低侵襲化を目指し,企業製のステントグラフトが使用可能になる以前の1996年12月13日にhand-madeのステントグラフトを用いて1例目の腹部大動脈瘤の手術を行いました。現在では胸部大動脈,腹部大動脈に対するステントグラフト内挿術は,北陸地方で有数の症例数となっています。また,2019年12月より胸部のオープンステント内挿術(OSG)を行い,ステントグラフトの適応を拡大しています。末梢血管ではカテーテル治療科と連携しながら,下肢血行再建が必要な場合は積極的に外科手術を行っています。下肢静脈瘤に対しては全国で2番目に高周波治療を開始し,レーザー治療,グル―(生体接着剤)治療も可能となっています。
術後の早期の社会復帰を目指して心臓リハビリテーションを積極的に行っており,術翌日から立位・足踏みを始めることで,心臓手術の術後入院期間も12-16日と短縮されています。