1.北陸総合診療コンソーシアム(金沢医科大学病院)プログラムについて
北陸総合診療コンソーシアムとは
「北陸総合診療コンソーシアム(Hokuriku General Medicine Consortium,HGMC)」は、専攻医の皆さんのさまざまなニーズに応えたテーラーメイドの総合診療専門研修を提供し、これからの北陸のプライマリ・ケアを担う若い人材を育成するために、国公私立、大学・研修病院・診療所などのあらゆる壁を越えて、石川県を中心とする北陸の8つの基幹病院と27の連携施設により策定された極めて画期的な連携プロジェクトです。専攻医は、総合診療医としての基礎を身につけることはもちろんですが、家庭医、病院総合診療、医学教育や臨床疫学研究など、自分の描く将来像にマッチした特色ある育成目標を掲げる基幹病院を選択することができます。と同時に、どの基幹施設を選択しても、働いてみたい他の基幹施設や連携施設でも一定期間研修し、新たな経験を積み、人脈を拡げ、将来の活躍の基盤を作り上げることができます。
本コンソーシアムのいずれかのプログラムで研修する専攻医は、選択した基幹病院が「基地」となります。基幹病院は3年間を通じて、連携施設で研修している間も、専攻医の研修をサポートし続けます。しかしそれだけではなく、本コンソーシアムに参加する基幹病院は、他の基幹病院に所属する専攻医であっても、たとえ自分の施設では研修する予定のない専攻医であっても、将来の北陸の医療を担う大切な仲間として別け隔てなく支援します。
また本コンソーシアムでは、多数の医療機関が連携することによって、学習価値の高い臨床カンファレンスや招聘講師によるセミナー、ハンズオンなどのOff-the-JobTrainingの機会をリアルないしバーチャルに共有したり、他地域の同世代の医師や、先輩医師たちとの交流の機会を提供します。また、敦賀と上越という、それぞれ京都や新潟との関連もある地域の基幹施設が参加しており、北陸とは異なる医療文化とも交わって、お互いに刺激し合って成長することができます。
加えて、本コンソーシアムには2つの大学の総合診療部門と5つの基幹型臨床研修病院が基幹施設として参加しており、医学生の地域医療実習やプライマリ・ケア実習、さらには、研修医の地域医療研修の機会も提供します。その中で専攻医は、後進の育成という医師としての非常に重要でやりがいのある役割を経験することができます。また大学総合診療部門の教員などの指導を受けながら、学会などで症例報告を行ったり、臨床疫学や医学教育に関する研究を推進することを通じて、リサーチマインドを育むことも可能です。
地域医療のもう一つの特色は、他の多くの医療職との連携はもちろんのこと、保健、介護、福祉との連携が欠かせないことです。地域では、これら多くの職種が医師の育成に積極的に参加してくれており、彼・彼女たち地域の仲間との協働を通して、プライマリ・ケア医としての温かく公正な人格を育むことができます。
私たちはこのような連携が、学習を支援する仕組みとして専攻医の皆さんにとって有益であるばかりでなく、臨床現場での連携と共同学習を深めるという「化学反応」を生じさせ、結果として地域の診療レベルの向上に結びついて、患者さんに大きく還元されることを願っています。若い専攻医の皆さんの存在が北陸の医療の未来を拓く鍵であることを信じて、多くの基幹施設・連携施設が本コンソーシアムに集まったこと自体が、既にその「化学反応」の始まりとも言えるでしょう。
金沢医科大学病院プログラムの特徴
金沢医科大学病院を基幹病院とするHGMC金沢医大プログラム(以下 当プログラム)は病院・診療所などで活躍する高い診断・治療能力を持つ総合診療専門医を養成するために創設されました。
金沢医科大学病院(当院)は特定機能病院でありながら、風光明媚な場所に存在し、周辺を海や湖や住宅地で囲まれ、地域の拠点病院として機能しています。当院には、不定愁訴、不明熱などをはじめ高度に細分化された専門科診療だけでは対処できない患者さんが少なからずおり、総合診療センターは生活習慣病外来 漢方外来からなり、こうした患者さんを含め、広く全人的医療を展開しています。また、当センターは医学部学生や初期臨床研修医、看護学部学生、薬剤師レジデント等を対象とした教育に携わる機会も多く、教育を通じた多くの学びの場が存在します。当プログラムでは、院内各専門科の医師やコメディカルスタッフ、周辺の各地域医療機関の協力のもと、様々な医療現場で、細やかなフィードバックを受けながら研修できる環境を整えていることが特徴です。
専攻医は、日常遭遇する疾病と傷害等に対して適切な初期対応と必要に応じた継続的な診 療を全人的に提供するとともに、地域のニーズを踏まえた疾病の予防、介護、看とりなど保 健・医療・介護・福祉活動に取り組み、絶えざる自己研鑽を重ねながら人々の命と健康に関 わる幅広い問題について適切に対応する総合診療専門医になることで、以下の機能を果たす ことを目指します。
- 地域を支える診療所や病院においては、他の領域別専門医、一般の医師、歯科医師、 医療や健康に関わるその他職種等と連携して、地域の保健・医療・介護・福祉等の様々 な分野におけるリーダーシップを発揮しつつ、多様な医療サービス(在宅医療、緩和 ケア、高齢者ケア、等を含む)を包括的かつ柔軟に提供
- 総合診療部門を有する病院においては、臓器別でない病棟診療(高齢入院患者や心 理・社会・倫理的問題を含む複数の健康問題を抱える患者の包括ケア、癌・非癌患者 の緩和ケア等)と臓器別でない外来診療(救急や複数の健康問題をもつ患者への包括 的ケア)を提供
当プログラム においては指導医が皆さんの教育・指導にあたりますが、皆さんも主体的に学ぶ姿勢をもつことが大切です。総合診療専門医は医師としての倫理観や説明責任はもちろんのこと、プライマリ・ケアの専門家である総合診療医としての専門性を自覚しながら日々の診療にあたると同時に、ワークライフバランスを保ちつつも自己研鑽を欠かさず、日本の医療や総合診療領域の発展に資するべく教育や学術活動に積極的に携わることが求められます。本研修 PG での研修後に皆さんは標準的な医療を安全に提供し、疾病の予防に努めると ともに将来の医療の発展に貢献できる総合診療専門医となります。
当プログラムでは、総合診療専門研修Ⅰ(外来診療・在宅医療中心)、総合診療専門研修Ⅱ(病棟診療、救急診療中心)、内科、小児科、救急科、で3年間の研修を行います。このことにより、1.人間中心の医療・ケア、2.包括的統合アプローチ、3.連携重視のマネジメント、4.地域志向アプローチ、5.公益に資する職業規範、6.診療の場の多様性という総合診療専門医に欠かせない6つのコアコンピテンシーを効果的に修得することが可能となります。
当プログラム は専門研修基幹施設(以下、基幹施設)と専門研修連携施設(以下、連携施設)の施設群で行われ、それぞれの特徴を生かした症例や技能を広く、専門的に学ぶことが出来ます。
2. 総合診療専門研修はどのようにおこなわれるのか
3. 専攻医の到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)
- 専門知識 総合診療の専門知識は以下の5領域で構成されます。
- 地域住民が抱える健康問題には単に生物医学的問題のみではなく、患者自身の健 康観や病いの経験が絡み合い、患者を取り巻く家族、地域社会、文化などのコン テクスト(※)が関与していることを全人的に理解し、患者、家族が豊かな人生 を送れるように、家族志向でコミュニケーションを重視した診療・ケアを提供す る。(※コンテクスト:患者を取り巻く背景・脈絡を意味し、家族、家計、教育、 職業、余暇、社会サポートのような身近なものから、地域社会、文化、経済情勢、 ヘルスケアシステム、社会的歴史的経緯など遠景にあるものまで幅広い位置づけ を持つ概念)
- プライマリ・ケアの現場では、疾患のごく初期の未分化で多様な訴えに対する適 切な臨床推論に基づく診断・治療から、複数の慢性疾患の管理や複雑な健康問題 に対する対処、更には健康増進や予防医療まで、多様な健康問題に対する包括的 なアプローチが求められる。そうした包括的なアプローチは断片的に提供される のではなく、地域に対する医療機関としての継続性、更には診療の継続性に基づ く医師・患者の信頼関係を通じて、一貫性をもった統合的な形で提供される。
- 多様な健康問題に的確に対応するためには、地域の多職種との良好な連携体制の 中での適切なリーダーシップの発揮に加えて、医療機関同士あるいは医療・介護 サービス間での円滑な切れ目ない連携も欠かせない。更に、所属する医療機関内 の良好な連携のとれた運営体制は質の高い診療の基盤となり、そのマネジメント は不断に行う必要がある。
- 医療機関を受診していない方も含む全住民を対象とした保健・医療・介護・福祉 事業への積極的な参画と同時に、地域ニーズに応じた優先度の高い健康関連問題 の積極的な把握と体系的なアプローチを通じて、地域全体の健康向上に寄与する。
- 総合診療専門医は日本のプライマリ・ケアの現場が外来・救急・病棟・在宅と多 様であることを踏まえて、その能力を場に応じて柔軟に適用することが求められ、 その際には各現場に応じた多様な対応能力が求められる。
※各項目の詳細は、総合診療専門医 専門研修カリキュラムの到達目標 1〜4及び6を参照
- 専門技能(診察、検査、診断、処置、手術など)
総合診療の専門技能は以下の5領域で構成されます。
- 外来・救急・病棟・在宅という多様な総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及 び疾患への評価及び治療に必要な身体診察及び検査・治療手技
- 患者との円滑な対話と医師・患者の信頼関係の構築を土台として患者中心の医療 面接を行い、複雑な家族や環境の問題に対応するためのコミュニケーション技法
- 診療情報の継続性を保ち、自己省察や学術的利用に耐えうるように、過不足なく適切な診療記録を記載し、他の医療・介護・福祉関連施設に紹介するときには、 患者の診療情報を適切に診療情報提供書へ記載して速やかに情報提供すること ができる能力
- 生涯学習のために、情報技術(information technology; IT)を適切に用いたり、 地域ニーズに応じた技能の修練を行ったり、人的ネットワークを構築することが できる能力
- 診療所・中小病院において基本的な医療機器や人材などの管理ができ、スタッフ との協働において適切なリーダーシップの提供を通じてチームの力を最大限に 発揮させる能力
- 経験すべき疾患・病態 以下の経験目標については一律に症例数で規定しておらず、各項目に応じた到達段階を満たすことが求められます。(研修手帳 p.20-29 参照) なお、この項目以降での経験の要求水準としては、「一般的なケースで、自ら判断して 対応あるいは実施できたこと」とします。
- 以下に示す一般的な症候に対し、臨床推論に基づく鑑別診断および、他の専門医 へのコンサルテーションを含む初期対応を適切に実施し、問題解決に結びつける 経験をする。(全て必須)
ショック | 急性中毒 | 意識障害 | 疲労・全身倦怠感 | 心肺停止 |
呼吸困難 | 身体機能の低下 | 不眠 | 食欲不振 | 体重減少・るいそう |
体重増加・肥満 | 浮腫 | リンパ節腫脹 | 発疹 | 黄疸 |
発熱 | 認知脳の障害 | 頭痛 | めまい | 失神 |
言語障害 | けいれん発作 | 視力障害・視野狭窄 | 目の充血 | 聴力障害・耳痛 |
鼻漏・鼻閉 | 鼻出血 | 嗄声 | 胸痛 | 動悸 |
咳・痰 | 咽頭痛 | 誤嚥 | 誤飲 | 嚥下困難 |
吐血・下血 | 嘔気・嘔吐 | 胸やけ | 腹痛 | 便通異常 |
肛門・会陰部痛 | 熱傷 | 外傷 | 褥瘡 | 背部痛 |
腰痛 | 関節痛 | 歩行障害 | 四肢のしびれ | 肉眼的血尿 |
排尿障害(尿失禁・排尿困難) | 乏尿・尿閉 | 多尿 | 不安 |
気分の障害(うつ) | 精神科領域の救急 | 流・早産および満期産 |
女性特有の訴え・症状 | 成長・発達の障害 | | |
- 以下に示す一般的な疾患・病態について、必要に応じて他の専門医・医療職と連携をとりながら、適切なマネジメントを経験する。 (必須項目のカテゴリーの み掲載)
貧血 | 脳・脊髄血管障害 | 脳・脊髄外傷 | 変性疾患 | 脳炎・脊髄炎 |
一次性頭痛 | 湿疹・皮膚炎群 | 蕁麻疹 | 薬疹 | 皮膚感染症 |
骨折 | 脊柱障害 | 心不全 | 狭心症・心筋梗塞 | 不整脈 |
動脈疾患 | 静脈・リンパ管疾患 | 高血圧症 | 呼吸不全 | 呼吸器感染症 |
閉塞性・拘束性肺疾患 | 異常呼吸 | 胸膜・縦隔・横隔膜疾患 |
食道・胃・十二指腸疾患 | 小腸・大腸疾患 | 胆嚢・胆管疾患 | 肝疾患 |
膵臓疾患 | 腹壁・腹膜疾患 | 腎不全 | 全身疾患による腎障害 |
泌尿器科的腎・尿路疾患 | 妊婦・授乳婦・褥婦のケア | |
女性生殖器およびその関連疾患 | 男性生殖器疾患 | 甲状腺疾患 | 糖代謝異常 |
脂質異常症 | 蛋白および核酸代謝異常 | 角結膜炎 | 中耳炎 |
急性・慢性副鼻腔炎 | アレルギー性鼻炎 | 認知症 | 依存症 |
気分障害 | 身体表現性障害 | ストレス関連障害・心身症 | 不眠症 |
ウイルス感染症 | 細菌感染症 | 膠原病とその合併症 | 中毒 |
アナフィラキシー | 熱傷 | 小児ウイルス感染 | 小児細菌感染症 | 小児喘息 |
小児虐待の評価 | 高齢者総合機能評価 | 老年症候群 | 維持治療機の悪性腫瘍 |
緩和ケア |
※ 詳細は総合診療専門医 専門研修カリキュラムの経験目標3を参照
- 経験すべき診察・検査等 以下に示す、総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及び疾患への評価及び治療に必 要な身体診察及び検査を経験します。なお、下記の経験目標については一律に症例数や経験数で規定しておらず、各項目に応じた到達段階を満たすことが求められます。
(研修手帳 p.16-18 参照)
- 身体診察
- 小児の一般的身体診察及び乳幼児の発達スクリーニング診察
- 成人患者への身体診察(直腸、前立腺、陰茎、精巣、鼠径、乳房、筋骨格系、 神経系、皮膚を含む)
- 高齢患者への高齢者機能評価を目的とした身体診察(歩行機能、転倒・骨折リ スク評価など)や認知機能検査(HDS-R、MMSE など)
- 耳鏡・鼻鏡・眼底鏡による診察を実施できる。
- 婦人科的診察(腟鏡診による内診や外陰部の視診など)を実施できる。
- 検査
- 各種の採血法(静脈血・動脈血)
- 簡易機器による血液検査・簡易血糖測定・簡易凝固能検査、採尿法(導尿法を含む)
- 注射法(皮内・皮下・筋肉・静脈注射・点滴・成人及び小児の静脈確保法、中心静脈確保法を含む)
- 穿刺法(腰椎・膝関節・肩関節・胸腔・腹腔・骨髄を含む)
- 単純X線検査(胸部・腹部・KUB・骨格系を中心に)
- 心電図検査・ホルター心電図検査・負荷心電図検査
- 超音波検査(腹部・表在・心臓)
- 生体標本(喀痰、尿、腟分泌物、皮膚等)に対する顕微鏡的診断
- 呼吸機能検査
- オージオメトリーによる聴力評価及び視力検査表による視力評価
- 子宮頸部細胞診
- 消化管内視鏡(上部、下部)
- 造影検査(胃透視、注腸透視、DIP)
※ 詳細は総合診療専門医 専門研修研修カリキュラムの経験目標1を参照
- 経験すべき手術・処置等 以下に示す、総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及び疾患への評価及び治療に必 要な治療手技を経験します。なお、下記については一律に経験数で規定しておらず、 各項目に応じた到達段階を満たすことが求められます。(研修手帳 p.18-19 参照)
- 救急処置
- 新生児、幼児、小児の心肺蘇生法(PALS)
- 成人心肺蘇生法(ICLS または ACLS)
- 病院前外傷救護法(PTLS)
- 薬物治療
- 使用頻度の多い薬剤の副作用・相互作用・形状・薬価・保険適応を理解して処 方することができる。
- 適切な処方箋を記載し発行できる。
- 処方、調剤方法の工夫ができる。
- 調剤薬局との連携ができる。
- 麻薬管理ができる。
- 治療手技・小手術
簡単な切開・異物摘出・ドレナージ | 止血・縫合法及び閉鎖療法 |
簡単な脱臼の整復、包帯・副木・ギプス法 | 局所麻酔(手指のブロック注射を含む) |
トリガーポイント注射 | 関節注射(膝関節・肩関節等) |
静脈ルート確保および輸液管理(IVH を含む) | 経鼻胃管及び胃瘻カテーテルの挿入と管理 |
導尿及び尿道留置カテーテル・膀胱瘻カテーテルの留置及び交換 |
褥瘡に対する被覆治療及びデブリードマン | 在宅酸素療法の導入と管理 |
人工呼吸器の導入と管理 | 輸血法(血液型・交差適合試験の判定を含む) |
各種ブロック注射(仙骨硬膜外ブロック・正中神経ブロック等) |
小手術(局所麻酔下での簡単な切開・摘出・止血・縫合法滅菌・消毒法) |
包帯・テーピング・副木・ギプス等による固定法 | 穿刺法(胸腔穿刺・腹腔穿刺・骨髄穿刺等) |
鼻出血の一時的止血 | 耳垢除去、外耳道異物除去 |
咽喉頭異物の除去(間接喉頭鏡、上部消化管内視鏡などを使用) |
睫毛抜去 |
※ 詳細は総合診療専門医 専門研修カリキュラムの経験目標1を参照
4.各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得
職務を通じた学習(On-the-job training)において、総合診療の様々な理論やモデルを踏まえながら経験そのものを省察して能力向上を図るプロセスにおいて各種カンファレンスを活用した学習は非常に重要です。主として、外来・在宅・病棟の3つの場面でカンファレンスを活発に開催します。
- 外来医療
幅広い症例を経験し、症例カンファレンスを通じた臨床推論や総合診療の専門的アプローチに関する議論などを通じて、総合診療への理解を深めていきます。
- 在宅医療
症例カンファレンスを通じて学びを深め、多職種と連携して提供される在宅医療に特徴的な多職種カンファレンスについても積極的に参加し、連携の方法を学びます。
- 病棟医療
入院担当患者の症例提示と教育的フィードバックを受ける回診及び多職種を含む病棟カンファレンスを通じて診断・検査・治療・退院支援・地域連携のプロセスに関する理解を深めます。
5.学問的姿勢について
専攻医には、以下の2つの学問的姿勢が求められます。
- 常に標準以上の診療能力を維持し、さらに向上させるために、ワークライフバラ ンスを保ちつつも、生涯にわたり自己研鑽を積む習慣を身につける。
- 総合診療の発展に貢献するために、教育者あるいは研究者として啓発活動や学術 活動を継続する習慣を身につける。
この実現のために、具体的には下記の研修目標の達成を目指します。
- 教育
- 学生・研修医に対して1対1の教育をおこなうことができる。
- 学生・研修医向けにテーマ別の教育目的のセッションを企画・実施・評価・改善することができる。
- 総合診療を提供するうえで連携する多職種への教育を提供することができる。
- 研究
- 日々の臨床の中から研究課題を見つけ出すという、プライマリ・ケアや地域 医療における研究の意義を理解し、症例報告や臨床研究を様々な形で実践できる。
- 量的研究(医療疫学・臨床疫学)、質的研究双方の方法と特長について理解し、批判的に吟味でき、各種研究成果を自らの診療に活かすことができる。
この項目の詳細は、総合診療専門医専門研修カリキュラムの到達目標5に記載されて います。 また、専攻医は原則として学術活動に携わる必要があり、学術大会等での発表(筆頭に 限る)及び論文発表(共同著者を含む)を行うことが求められます。 臨床研究の実施にあたっては、必要に応じ、金沢医科大学大学院医学研究科ならびに研究推進センターのサポートをうけることができます。
6.医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて
専門研修修了時の医師像
地域を支える診療所や病院においては、他の領域別専門医、一般の医師、歯科医師、医療や健康に関わるその他職種等と連携して、地域の保健・医療・介護・福祉等の様々な分野におけるリーダーシップを発揮しつつ、多様な医療サービス(在宅医療、緩和ケア、高齢者ケア、等を含む)を包括的かつ柔軟に提供できる。また、総合診療部門を有する病院においては、臓器別でない病棟診療(高齢入院患者や心理・社会・倫理的問題を含む複数の健康問題を抱える患者の包括ケア、癌・非癌患者の緩和ケア等)と臓器別でない外来診療(救急や複数の健康問題をもつ患者への包括的ケア)を提供することができる。具体的には以下の6つのコアコンピテンシーを獲得することを目指す。
- 人間中心の医療・ケア
- 包括的統合アプローチ
- 連携重視のマネジメント
- 地域志向アプローチ
- 公益に資する職業規範
- 診療の場の多様性
総合診療専攻医は以下4項目の実践を目指して研修をおこないます。
- 医師としての倫理観や説明責任はもちろんのこと、プライマリ・ケアの専門家である 総合診療医としての専門性を自覚しながら日々の診療にあたることができる。
- 安全管理(医療事故、感染症、廃棄物、放射線など)を行うことができる。
- 地域の現状から見出される優先度の高い健康関連問題を把握し、その解決に対して各 種会議への参加や住民組織との協働、あるいは地域ニーズに応じた自らの診療の継続 や変容を通じて貢献できる。
- へき地・離島、被災地、都市部にあっても医療資源に乏しい地域、あるいは医療アク セスが困難な地域でも、可能な限りの医療・ケアを率先して提供できる。
7.施設群による研修 プログラムおよび地域医療についての考え方
当プログラム では金沢医科大学病院総合診療センターを基幹施設とし、地域の連携施設とともに施設群を構成してします。専攻医はこれらの施設群をローテートすることにより、多彩で偏りのない充実した研修を行うことが可能となります。当プログラム では、公立穴水総合病院などにおいて臨床推論、医療面接、総合診療の概念を学習するための基礎研修を行った後、下記のような構成でローテート研修を行います。
- 総合診療専門研修は診療所・中小病院における総合診療専門研修Ⅰと病院総合診療 部門における総合診療専門研修Ⅱで構成されます。本研修 PGでは、総合診療研修Ⅱを公立穴水総合病院などで 12 ヵ月、総合診療専門研修Ⅰを 公立穴水総合病院などで 6 ヵ月、合計で 18 ヵ月の研修を行います。
- 必須領域別研修として、金沢医科大学病院などにて内科 6 ヵ月、小児科 3 ヵ月、救急科 4 ヵ月 の研修を行います。
- その他の領域別研修として、金沢医科大学病院などにて消化器一般外科・整形外科・精神科・ 産婦人科・皮膚科・泌尿器科・眼科・耳鼻咽喉科・リハビリテーション科の研修を行うことが可能です。合計 3 ヵ月の範囲で専攻医の意向を踏まえて決定します。
施設群における研修の順序、期間等については、専攻医を中心に考え、個々の総合診療科 専攻医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の医療体制を勘案して、本研修 PG 管理 委員会が決定します。
8.本プログラムの施設群について
本研修プログラムは金沢医科大学病院を基幹施設とし、連携施設は下記の通りです。
- 公立穴水総合病院
- 社会医療法人財団董仙会 恵寿ローレルクリニック
- 金沢大学附属病院
- 石川県立中央病院
- 新潟県厚生連 上越総合病院
- 市立敦賀病院
- 珠洲市総合病院
- 市立輪島病院
- 市立輪島病院舳倉診療所
- 公立宇出津総合病院
- 公立穴水総合病院兜診療所
- 公立能登総合病院
- 社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院
- 国民健康保険志雄病院
- 公立羽咋病院
- 河北中央病院
- 独立行政法人国立病院機構金沢医療センター
- 金沢市立病院
- 公立松任石川中央病院
- 公立つるぎ病院
- 地域医療機能推進機構金沢病院
- 石川県済生会金沢病院
- 国家公務員共済組合連合会 北陸病院
- 金沢赤十字病院
- 医療法人社団浅ノ川浅ノ川総合病院
- けんろく診療所
- 紺谷内科婦人科クリニック
- 国民健康保険小松市民病院
- 国民健康保険能美市立病院
- 医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院
- 社団法人石川勤労者医療協会 寺井病院
- 加賀市医療センター
- 富山医療生協協同組合富山協立病院
- 富山医療生活協同組合水橋診療所
- 福井県医療生活協同組合光陽生協病院
- 福井県医療生活協同組合光陽生協クリニック
- 福井県医療生活協同組合つるが診療所
専門研修施設群の地理的範囲
本研修プログラムの施設群は、石川県を中心に、北陸4県に集まっています。金沢市を除き、人口の減少が起こっている過疎地域にある場合が多く、特に能登北部医療圏は高齢化が進んだこれからの日本の超高齢化社会を先取りした地域と言えます。ただし、依然と比べて道路の整備が進んでいる他、石川県によるテレビ会議システムを利用したテレカンファレンスが可能であるなど、専門研修に適したインフラは整備されています。また、金沢、富山、上越には北陸新幹線の駅があり、首都圏へのアクセスも格段に向上しています。
9.専攻医の受け入れ数について
各専門研修施設における年度毎の専攻医数の上限は、当該年度の総合診療専門研修Ⅰ及びⅡを提供する施設で指導にあたる総合診療専門研修指導医×2です。3学年の総数は総合診療専門研修指導医×6です。本研修PGにおける専攻医受け入れ可能人数は、基幹施設および連携施設の受け入れ可能人数を合算したものです。
また、総合診療専門研修において、同時期に受け入れできる専攻医の数は、指導を担当する総合診療専門研修指導医1名に対して3名までとします。受入専攻医数は施設群が専攻医の必要経験数を十分に提供でき、質の高い研修を保証するためのものです。
内科研修については、1人の内科指導医が同時に受け持つことができる専攻医は、原則、内科領域と総合診療を合わせて3名までとします。ただし、地域の事情やプログラム構築上の制約によって、これを超える人数を指導する必要がある場合は、専攻医の受け持ちを1名分まで追加を許容し、4名までは認められます。
小児科領域と救急科領域を含むその他の診療科のローテート研修においては、各科の研修を行う総合診療専攻医については各科の指導医の指導可能専攻医数(同時に最大3名まで)には含めません。しかし、総合診療専攻医が各科専攻医と同時に各科のローテート研修を受ける場合には、臨床経験と指導の質を確保するために、実態として適切に指導できる人数までに(合計の人数が過剰にならないよう)調整することが必要です。これについては、総合診療専門研修プログラムのプログラム統括責任者と各科の指導医の間で事前に調整を行います。現在、本プログラム内には総合診療専門研修指導医が3名在籍しておりますが、当プログラムでは毎年3名を定員と定めております。
10.施設群における専門研修コースについて
図1:ローテーション(公立穴水総合病院と金沢医科大学病院で研修する場合)
1年目 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
総診Ⅰ 公立穴水総合病院 総合内科・在宅療養支援センター(6ヵ月) |
2年目 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
総診Ⅱ 公立穴水総合病院 総合内科病棟・外来(6ヵ月) | 金沢医科大学病院 小児科病棟・外来 | 金沢医科大学病院 救急医療センター |
3年目 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
金沢医科大学病院 内科研修 |
その他、下記の連携機関での研修が可能です。
小児科:連携機関(金沢大学附属病院,恵寿総合病院,加賀市民病院)
救急科:連携機関(金沢大学附属病院, 石川県立中央病院,新潟県上越総合病院,恵寿総合病院,公立松任石川中央病院)
内科等:連携機関(金沢大学附属病院,上越総合病院,市立敦賀病院,市立輪島病院,公立宇出津総合病院,恵寿総合病院,河北中央病院,金沢医療センター,金沢市立病院,松任石川中央病院,金沢病院,石川県済生会金沢病院,北陸病院,金沢赤十字病院,浅ノ川総合病院,小松市民病院,加賀市民病院,公立穴水総合病院)
11.研修施設の概要
基幹施設 金沢医科大学病院
医師・専門医数 |
- プライマリ・ケア認定医指導医 3名
- 総合内科専門医14名
- 小児科専門医 10 名
- 救急科専門医 7名
- 産婦人科専門医 4 名
- 精神科専門医 4 名
- 整形外科専門医 10名
- 耳鼻咽喉科専門医 8名
- 放射線診断専門医 6名
- リハビリテーション科専門医 2 名
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病床数・患者数 |
- 病院病床数 835 床、1 日平均外来患者数 1200 人
- 総合診療科 0床
のべ外来患者数615 名/月、入院患者総数 0名/月
- 救命救急センター5 床
- 内科 81 床
- 小児科 20 床(NICU6 床、GCU7 床)
のべ外来患者数 およそ300 名/月
- 産婦人科病床 24床
年間分娩件数 267 件、年間帝王切開術件数 75件 年間婦人科手術件数 218 件
- 整形外科手術件数 752 件/年
- 精神科病床 36 床 外来患者数およそ 50 名/日
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病院の特徴 |
- 特定機能病院認定、救命救急センター、災害拠点病院、DMAT 指定医療 機関、総合周産期母子医療センター、がん診療連携拠点病院、エイズ 治療拠点病院、臓器移植登録施設、難病医療拠点病院などの役割を担 っている。
- 内科には、呼吸器内科、腎臓内科、消化器内科、血液免疫内科、循環器内科、神経内科、糖尿病代謝内分泌内科、腫瘍内 科、感染症内科の各専門内科があり、専門医療を提供している。
- 小児科では、乳幼児健診、予防接種、一般小児科診療に加えて、血液・腫瘍、神経、内分泌代謝、アレルギー、腎臓、循環器・新生児などの専門グループに分かれて、専門医療を提供している。
- 救急は、救命救急センターで幅 広い救急医療を提供しているほか、専門各科が近隣各医療機関からの 紹介による救急患者を積極的に受け入れている。
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連携施設
- 公立穴水総合病院
石川県能登北部は既に高齢化率が40%を超え、将来の日本に求められる医療の実践の場となっています。そのため穴水総合病院は、二次医療のみならず一次医療から地域のヘルスプロモーションの領域まで深く関与し、包括的かつ継続的医療を提供する「地域完結型」の地域医療を実践しています。当プログラムは、当院のこれまでの後期研修プログラムを発展させ、日本の未来に大きく貢献できる医師を育てるためのものとなっています。常勤医12名(うち総合診療専門研修指導医2名)、病床数100、二次救急病院(救急搬送400件/年)、へき地拠点病院、透析センター、訪問診療、地域医療研究所設置、付属診療所1カ所。
- 社会医療法人財団董仙会 恵寿ローレルクリニック
総合診療専門研修指導医1名(プライマリ・ケア認定医);病床 なし・ のべ外来患者数 900 名/月、のべ訪問診療件数 40 件/月
診療所の特徴
・小児から高齢者まで幅広い患者層を持ち、生活習慣病のケアについて は看護師、栄養士とも協力し包括的な患者教育・ケアを行っている。
・ 周囲30分圏内で在宅医療にも取り組んでおり、在宅看取りや緊急往診の実績もあり。恵寿総合病院と連携して病状悪化時の緊急入院や地域包括ケア病棟でのレスパイト入院にも協力している。
・ 産婦人科医の協力のもと妊婦健診、一般婦人科診療も実施しており、産婦人科医の減少が著しい地域において女性診療・産科もできる総合医を養成し、地域の産婦人科・周産期医療体制の安定に貢献している。
・ 自院において乳幼児健診・婦人科健診や予防接種を行うのみならず、地域の学校や集まりで健康教室を開くなど、積極的に予防医療活動に取り組んでいる。
- 金沢大学附属病院
当院は典型的な特定機能病院ですので、当院総合診療科は、診断困難な患者の外来診療、医学教育、および臨床疫学研究を3本柱とする、いわゆるアカデミック総合診療を実践しています。また、石川県を中心に北陸の地域医療全体の発展に貢献するために、地域医療を支える市中病院を様々な点でサポートすることが使命と考えていますので、研修の一環として教育や研究を学びたい方々はもちろん、将来の相談などがおありの方もお気軽にご連絡下さい。
- 金沢医科大学病院
金沢医科大学病院(当院)は特定機能病院でありながら、風光明媚な場所に存在し、周辺を海や湖や住宅地で囲まれ、地域の拠点病院として機能しています。当院には、不定愁訴、不明熱などをはじめ高度に細分化された専門科診療だけでは対処できない患者さんが少なからずおり、総合診療センターは生活習慣病外来 漢方外来 女性総合外来からなり、こうした患者さんを含め、広く全人的医療を展開しています。また、当センターは医学部学生や初期臨床研修医、看護学部学生、薬剤師レジデント等を対象とした教育に携わる機会も多く、教育を通じた多くの学びの場が存在します。
- 石川県立中央病院
石川県3次医療圏の中核病院として、救命救急診療センター、心血管診療センター、脳血管診療センター、外傷センター、総合母子医療センターを有し、災害拠点病院等の指定を受け、初期から三次までの救急医療や高度医療を提供している。救急科においては、3次救急を主として年間3500件の救急搬送を受け入れ、重度外傷への救急医療からER救急まで幅広い救急医療を提供していると共に,ER病棟での入院診療を行っている
- 新潟県厚生連 上越総合病院
専門医・指導医数 総合診療専門研修指導医5名、内科専門医8名、救急科専門医1名
診療科・患者数 総合診療科 のべ外来患者数 400名/月、入院患者数 20名/月、内科入院患者数 200名/月、救急科 救急による搬送の件数2000件/年
病院の特徴 新潟県上越二次医療圏の急性期基幹病院。訪問看護ステーションや介護老人保健施設を併設して地域医療にも力を入れている。教育を重視し卒後臨床研修評価機構の認定を受けている。総合診療科では、幅広く初診を扱う外来診療、包括的な病棟診療、救急科と連携したER初期診療等を提供している。内科は各分野の専門医療を提供し、救急科は二次、三次に至るまで、幅色く救急医療を提供している。
- 市立敦賀病院
・当院は災害拠点病院の指定を受けるとともに、救急告示病院、第二次救急病院群輪番制病院として、広汎な初期から三次までの救急医療や高度医療を提供している。
・平成26年度に総合診療センターを設置し、幅広い疾患に対する初診を中心とした外来診療、専門各科にまたがる問題を持つ患者に対する病棟診療、救急科と連携した初期救急などを提供している。
・内科においては、内科(呼吸器・腎臓・糖尿病)循環器科、消化器科、神経内科を持ち、専門医療を提供している。
・小児科においては、乳幼児健診、予防接種、幅広い外来診療、病棟診療を提供している。
・救急科においては、福井大学救急科から医師の派遣をいただくとともに、プライマリケアから重度疾患まで幅広い救急医療を提供している。
- 珠洲市総合病院
珠洲は能登半島の先端に位置し,高齢・過疎化が最も進んでいる地域です。研修 の中心となる内科診療は,自治医科大学卒業生と金沢大学からの若い ローテー ション医師を中心に活発な診療が行われています。彼らと過ごす研修は実り多い ものと思います。
- 市立輪島病院
13診療科を標榜し、一般病床147床、療養病床48床、感染病床4床を有する病院です。救急告示病院、へき地医療拠点病院に指定されており、能登北部地域の基幹病院として、心の通う医療サービスの提供を基本理念に診療に取り組んでいます。
- 公立宇出津総合病院
「笑顔で心のこもった良質な医療サービスの提供」を基本理念に、地域住民の皆様に信頼され、より良い接遇と思いやりのある、質の高い医療を提供できる病院を目指しております。設置主体 能登町;病床数 120床;入院基本料 10:1(一般病床);診療科 17科;週休形態 4週8休制
- 公立能登総合病院
当院は、能登中部医療圏の中心的な急性期病院であるとともに、地域の病診・病院連携の中核であります。そのため、入院から退院(初診・入院~退院・通院)まで可能な範囲で経時的に、診断・治療の流れを通じて、一人一人の患者の全身状態、社会的背景・療養環境調整を行うことができます。
- 社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院
・ 家庭医療科は、緩和医療科、産婦人科と組み「家族みんなの医療センター」として胎内に宿る前から分娩、急性期疾患から終末期・看取りまでと家族を含め幅広く外来・入院診療を提供している。
・ 内科においては、呼吸器、血液を含め消化器、循環器、腎臓、神経、内分泌の各専門医が常勤し、膠原病の非常勤医も含め幅広く専門医療を提供している。
・ 小児科においては、乳幼児健診、予防接種、幅広い外来診療療を提供し、家庭医療科と共同して診療している。
・ 救急科においては、救急搬送患者から ウォークイン救急まで幅広い救急医療を提供している。
- 国民健康保険志雄病院
地域の基幹病院として「患者さんにやさしく、信頼される病院づくり」をめざして、医療体制、機能の整備に取り組んでおり、現在移転新築工事を進めている。新病院は、平成29年5月開院予定。
- 公立羽咋病院
公立羽咋病院は金沢市から約40kmの能登の入り口にある羽咋地域の中核病院です。急性期病棟116床、地域包括ケア病棟58床を有し、地域包括医療の実践を心がけています。また、救急医療(2次救急)や災害医療など幅広い診療を提供しています。
- 河北中央病院
- 独立行政法人国立病院機構金沢医療センター
国立病院機構金沢医療センターでの専門研修により,地域医療にも貢献できる医師を目指します.入院から退院〈初診・入院~退院・通院〉まで経時的に診療を行い,社会的背景・療養環境調整をも包括する全人的医療を実践できる医師となるように教育に力を入れています。
- 金沢市立病院
当院は、コミュニティー病院として地域の介護・福祉施設や特定機能病院から療養型病院まで多くの医療機関と深い連携をとりながら、地域医療の中核病院としての役割を果たしています。内科研修では主担当医として、入院から退院まで経時的に診断・治療の流れを通じて、社会的背景・療養環境調整をも包括する全人的医療を実践できる能力を習得できます。
- 公立松任石川中央病院
当院は、救急搬送年間2,000件以上、心カテ月80件以上、消化器内視鏡検査月1,200件以上、全麻手術月100件以上の急性期病院であり、全ての診療記録は電子化されています。
- 公立つるぎ病院
当院は在宅療養支援病院、へき地医療拠点病院として、鶴来地区、白山ろく地区の医療の中核を担うべく、白山ろく地区の白峰診療所、吉野谷診療所とともに地域医療やへき地医療に積極的に取り組んでいます。
- 地域医療機能推進機構金沢病院
JCHO金沢病院では、急性期病棟・地域包括ケア病棟に加え、健康管理センター部門、併設施設として介護老人保健施設、訪問看護ステーション、地域包括支援センターを有し、プライマリケアから最新医療まで切れ目のない地域医療・診療連携を経験できます。
- 石川県済生会金沢病院
当院は、糖尿病、高血圧、冠動脈疾患、慢性腎臓病等、広義の生活習慣病に対するチーム医療を重視した総合的な取り組みを行っています。糖尿病、慢性腎臓病の合併症外来や教育入院などの受入についても積極的に取り組んでいます。
- 国家公務員共済組合連合会 北陸病院
中小病院(125床)ですが、12診療科を備え、地域住民の健康維持に役立つことを第一に考えて、創立60周年。石川県の二次救急指定病院として、金沢市の病院郡輪番制に入り、地域の救急医療にも貢献しております。
- 金沢赤十字病院
金沢市の南部の郊外にある病院です.病床数262床で,一般病棟の他に回復期リハビリテーション病棟,地域包括ケア病棟を有します.大きな病院ではありませんが,それ故にいわゆる「科の垣根」はなく,他科の医師や他の職種のスタッフともface to faceの関係で,全人的な医療を実 践できるものと自負しています。
- 医療法人社団浅ノ川浅ノ川総合病院
- けんろく診療所
- 紺谷内科婦人科クリニック
指導医は日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医/総合内科専門医/元循環器内科医です。当クリニックは昭和51年に産婦人科医院として開設、現在も婦人科を標榜しており、比較的若い女性と小児の診療を多く経験できます。
- 国民健康保険小松市民病院
- 国民健康保険能美市立病院
当院では、一般病棟、地域包括ケア病床、療養病棟に加え、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、介護老人保健施設を運営し、急性期から在宅まで切れ目のない地域包括医療・ケアを実践しています。
- 医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院
当院は、石川県で最大数の地域包括ケア病床82床を有しています。この病棟は、高齢者の亜急性期の入院や、複数の慢性疾患を有する患者の増悪時の入院に対応するため、総合診療医が入院管理の研修を行うには最適といわれています。
- 社団法人石川勤労者医療協会 寺井病院
国際HPH登録病院(ヘルス・プロモーティング・ホスピタル=健康増進活動拠点病院)として、地域住民と一緒に体操教室や無料青空健康チェックを定期開催するなど、病院の外にも積極的に出向き「地域丸ごと健康づくり」に力を入れている。
- 加賀市医療センター
本年4月加賀市医療センターをJR加賀温泉駅前に開院、加賀市(人口約69,000人)の地域医療を担う急性期型の中核病院であり、地域の医療機関との連携も密接に行っています。医師は37名、総合診療科を新設し2人当直体制をとり救急搬送をことわらない病院を目指しています。
- 富山医療生協協同組合富山協立病院
- 富山医療生活協同組合水橋診療所
- 福井県医療生活協同組合光陽生協病院
高齢者中心のリハビリ目的の入院を中心に、一部急性期入院医療、光陽生協クリニックと連携した在宅管理患者の急性増悪対応を行っている。近隣の急性期病棟からの受け皿として地域包括ケア病床を展開。
- 福井県医療生活協同組合光陽生協クリニック
医療圏で積極的に在宅医療に取り組み、生活習慣病を中心とした外来を展開。禁煙外来にも近年力を入れている。光陽生協病院と連携して積極的な在宅看取りも含めた包括的な診療を提供している。
- 福井県医療生活協同組合つるが診療所
医療圏で急性期病院と連携した積極的に在宅医療にも取り組む在宅支援診療として地域の中で認知されている。検診活動も積極的に展開しており、予防医療にも力を入れている。
12.専門研修の評価について
専門研修中の専攻医と指導医の相互評価は施設群による研修とともに専門研修 PGの根幹となるものです。
以下に、「振り返り」、「経験省察研修録(ポートフォリオ)作成」、「研修目標と自己評価」の三点を説明します。
- 振り返り
多科ローテーションが必要な総合診療専門研修においては3年間を通じて専攻医の研 修状況の進捗を切れ目なく継続的に把握するシステムが重要です。具体的には、研修 手帳(資料1)の記録及び定期的な指導医との振り返りセッションを1〜数ヶ月おき に定期的に実施します。その際に、日時と振り返りの主要な内容について記録を残し ます。また、年次の最後には、1 年の振り返りを行い、指導医からの形成的な評価を 研修手帳に記録します。
- 経験省察研修録(ポートフォリオ)作成 常に到達目標を見据えた研修を促すため、最良作品型ポートフォリオ(学習者がある領域に関して最良の学びを得たり、最高の能力を発揮できた症例・事例に関する経験と省察の記録)(資料 2.1〜2.3)作成の支援を通じた指導を行ったりします。専攻医には詳細 20 事例、簡易 20 事例の経験省察研修録(ポートフォリオ)を作成することが求められますので、指導医は定期的な研修の振り返りの際に、経験省察研修録(ポートフォリオ)作成状況を確認し適切な指導を提供します。また、施設内外にて作成した経験省察研修録(ポートフォリオ)の発表会を行います。なお、経験省察研修録(ポートフォリオ)の該当領域については研修目標にある6つのコアコンピテンシーに基づいて設定しており、詳細は研修手帳にあります。
- 研修目標と自己評価 専攻医には研修目標の各項目の達成段階について、研修手帳を用いて自己評価を行う ことが求められます。指導医は、定期的な研修の振り返りの際に、研修目標の達成段 階を確認し適切な指導を提供します。また、年次の最後には、進捗状況に関する総括 的な確認を行い、現状と課題に関するコメントを記録します。
また、上記の三点以外にも、実際の業務に基づいた評価(Workplace-based assessment) として、短縮版臨床評価テスト(Mini-CEX)等を利用した診療場面の直接観察やケースに基 づくディスカッション(Case-based discussion)を定期的に実施します。また、多職種に よる 360 度評価を各ローテーション終了時等、適宜実施します。
更に、年に複数回、他の専攻医との間で相互評価セッションを実施します。 最後に、ローテート研修における生活面も含めた各種サポートや学習の一貫性を担保するために専攻医にメンターを配置し定期的に支援するメンタリングシステムを構築します。メ ンタリングセッションは数ヶ月に一度程度を保証しています。
内科ローテート研修中の評価
内科ローテート研修においては、症例登録・評価のため、内科領域で運用する専攻 医登録評価システム(Web 版研修手帳)による登録と評価を行います。これは期間は 短くとも研修の質をできる限り内科専攻医と同じようにすることが総合診療専攻医と 内科指導医双方にとって運用しやすいからです。システムを利用するにあたり、内科 学会に入会する必要はありません。
6ヶ月間の内科研修の中で、最低 20 例を目安として入院症例を受け持ち、その入院 症例(主病名、主担当医)のうち、提出病歴要約として5件を登録します。分野別(消化器、循環器、呼吸器など)の登録数に所定の制約はありませんが、可能な限り幅広 い異なる分野からの症例登録を推奨します。病歴要約については、同一症例、同一疾 患の登録は避けてください。
提出された病歴要約の評価は、所定の評価方法により内科の担当指導医が行います が、内科領域のようにプログラム外の査読者による病歴評価は行いません。
6ヶ月の内科研修終了時には、病歴要約評価を含め、技術・技能評価、専攻医の全 体評価(多職種評価含む)の評価結果が専攻医登録・評価システムによりまとめられます。その評価結果を内科指導医が確認し、総合診療プログラムの統括責任者に報告 されることとなります。
専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成 段階を確認した上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合します。
小児科及び救急科ローテート研修中の評価
小児科及び救急科のローテート研修においては、基本的に総合診療専門研修の研修 手帳を活用しながら各診療科で遭遇する common disease をできるかぎり多く経験し、 各診療科の指導医からの指導を受けます。
3ヶ月の小児科及び救急科の研修終了時には、各科の研修内容に関連した評価を各 科の指導医が実施し、総合診療プログラムの統括責任者に報告することとなります。 専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成 段階を確認した上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合します。
指導医のフィードバック法の学習(FD)
指導医は、最良作品型ポートフォリオ、短縮版臨床評価テスト、ケースに基づくディスカッション及び 360 度評価などの各種評価法を用いたフィードバック方法について、指導医資 格を取得時に受講を義務づけている1泊2日の日程で開催される指導医講習会や医学教育 のテキストを用いて学習を深めていきます。
13.専攻医の就業環境について
基幹施設および連携施設の研修責任者とプログラム統括責任者は専攻医の労働環境改善 と安全の保持に努めます。
専攻医の勤務時間、休日、当直、給与などの勤務条件については、労働基準法を遵守し、 各施設の労使協定に従います。さらに、専攻医の心身の健康維持への配慮、当直業務と夜間 診療業務の区別とそれぞれに対応した適切な対価を支払うこと、バックアップ体制、適切な 休養などについて、勤務開始の時点で説明を行います。
研修年次毎に専攻医および指導医は専攻医指導施設に対する評価も行い、その内容は総合診療専門研修管理委員会に報告されますが、そこには労働時間、当直回数、給与など、労働条件についての内容が含まれます。
14.専門研修 PG の改善方法とサイトビジット(訪問調査)について
本研修 PG では専攻医からのフィードバックを重視して PG の改善を行うこととしています。
- 専攻医による指導医および本研修 PG に対する評価
- 専攻医は、年次毎に指導医、専攻医指導施設、本研修 プログラムに対する評価を行います。 また、指導医も専攻医指導施設、本研修プログラムに対する評価を行います。専攻医や指 導医等からの評価は、専門研修プログラム管理委員会に提出され、専門研修 PG 管理委員 会は本研修プログラムの改善に役立てます。このようなフィードバックによって本研修プログラムをより良いものに改善していきます。
- なお、こうした評価内容は記録され、その内容によって専攻医に対する不利益が 生じることはありません。
- 専門研修 PG 管理委員会は必要と判断した場合、専攻医指導施設の実地調査および 指導を行います。評価にもとづいて何をどのように改善したかを記録し、毎年 3 月 31 日までに日本専門医機構の総合診療科研修委員会に報告します。
- また、専攻医が日本専門医機構に対して直接、指導医やプログラムの問題について報告し改善を促すこともできます。
- 研修に対する監査(サイトビジット等)・調査への対応
- 本研修 プログラムに対して日本専門医機構からサイトビジット(現地調査)が行われます。 その評価にもとづいて専門研修プログラム管理委員会で本研修プログラムの改良を行います。本 研修プログラム 更新の際には、サイトビジットによる評価の結果と改良の方策について日 本専門医機構の総合診療科研修委員会に報告します。
- また、同時に、総合診療専門研修プログラムの継続的改良を目的としたピアレビ ューとして、総合診療領域の複数のプログラム統括責任者が他の研修プログラム を訪問し観察・評価するサイトビジットを実施します。関連する学術団体などによるサイトビジットを企画しますが、その際には専攻医に対する聞き取り調査な ども行われる予定です。
15.修了判定について
3 年間の研修期間における研修記録にもとづいて、知識・技能・態度が専門医試験を受け るのにふさわしいものであるかどうか、症例経験数が日本専門医機構の総合診療科研修委員 会が要求する内容を満たしているものであるかどうかを、専門医認定申請年の 5 月末までに 専門研修 PG 統括責任者または専門研修連携施設担当者が専門研修 PG 管理委員会において評 価し、専門研修 PG 統括責任者が修了の判定をします。
その際、具体的には以下の4つの基準が評価されます。
- 研修期間を満了し、かつ認定された研修施設で総合診療専門研修ⅠおよびⅡ各6ヶ月以上・合計18ヶ月以上、内科研修6ヶ月以上、小児科研修3ヶ月以上、救急科研修3ヶ月以上を行っていること。
- 専攻医自身による自己評価と省察の記録、作成した最良作品型ポートフォリオを通じて、到達目標がカリキュラムに定められた基準に到達していること
- 研修手帳に記録された経験目標が全てカリキュラムに定められた基準に到達していること
- 研修期間中複数回実施される、医師・看護師・事務員等の多職種による 360 度評価(コミュニケーション、チームワーク、公益に資する職業規範)の結果も重視する。
16.専攻医が専門研修 PG の修了に向けて行うべきこと
専攻医は研修手帳及び最良作品型ポートフォリオを専門医認定申請年の 4 月末までに専 門研修 PG 管理委員会に送付してください。専門研修 プログラム管理委員会は 5 月末までに修了判定 を行い、6月初めに研修修了証明書を専攻医に送付します。専攻医は日本専門医機構の総合 診療科専門医委員会に専門医認定試験受験の申請を行ってください。
17.Subspecialty 領域との連続性について
様々な関連する Subspecialty 領域については、連続性を持った制度設計を今後検討していくこととなりますので、その議論を参考に当研修 プログラムでも計画していきます。
18.総合診療科研修の休止・中断、PG 移動、PG 外研修の条件
- 専攻医が次の 1 つに該当するときは、研修の休止が認められます。研修期間を延 長せずに休止できる日数は、所属プログラムで定める研修期間のうち通算 120 日(平日換算)までとします。
- 病気の療養
- 産前・産後休業
- 育児休業
- 介護休業
- その他、やむを得ない理由
- 専攻医は原則として 1 つの専門研修プログラムで一貫した研修を受けなければ なりません。ただし、次の 1 つに該当するときは、専門研修プログラムを移籍することができます。その場合には、プログラム統括責任者間の協議だけでなく、 日本専門医機構・領域研修委員会への相談等が必要となります。
- 所属プログラムが廃止され、または認定を取消されたとき
- 専攻医にやむを得ない理由があるとき
- 大学院進学など専攻医が研修を中断する場合は専門研修中断証を発行します。再 開の場合は再開届を提出することで対応します。
- 妊娠、出産後など短時間雇用の形態での研修が必要な場合は研修期間を延長する 必要がありますので、研修延長申請書を提出することで対応します。
19.専門研修 PG 管理委員会
以下の北陸総合診療コンソーシアムによる合同プログラム管理委員会を設置します。この委員会は全体の統括を担いますが、本委員会の下部組織として合同プログラム改善委員会を設置し、指導医ならびに専攻医の代表も参加してプログラム改善を検討します。また、これとは別に指導医会を設置し、実際に専攻医の指導にあたる指導医による情報交換を促進します。
常任委員
公立穴水総合病院 副院長・臨床研修センター長 | 中橋 毅 |
董仙会恵寿ローレルクリニック | 院長 | 吉岡哲也 |
金沢大学附属病院 | 総合診療部部長・特任教授 | 野村英樹 |
金沢医科大学病院 | 総合内科・教授 | 小林淳二 |
石川県立中央病院 | 副院長 | 岡田俊英 |
石川勤労者医療協会城北病院 | 病棟医長 | 野口卓夫 |
石川勤労者医療協会城北病院 | 院長 | 大野健次 |
石川勤労者医療協会城北病院 | 研修担当事務職 | 洲崎 みゆき |
新潟県厚生連上越総合病院 | 副院長 | 篭島 充 |
市立敦賀病院 | 循環器科部長 | 音羽勘一 |
金沢医科大学医学教育学 | 講師 | 高村昭輝 |
金沢医科大学看護部 | 主任看護師 | 我妻孝則 |
金沢医科大学小児科 | 教授 | 犀川 太 |
公立松任石川中央病院 | 救急医療部長 | 安間 圭一 |
恵寿総合病院 | 臨床研修センター長 | 新井隆成 |
専攻医の研修を行っている連携施設の担当者
20.総合診療専門研修指導医
指導医には臨床能力、教育能力について、6つのコアコンピテンシーを具体的に実践して いることなどが求められており、本 PG の指導医についてもレポートの提出などによりそれ らを確認し、総合診療専門研修指導医講習会(1泊2日程度)の受講を経て、理解度などにつ いての試験を行うことでその能力が担保されています。
なお、本PGの基幹施設である金沢医科大学病院での指導医は、以下の(1)~(6)のいずれかの立場の方より選任されており (1)のプライマリ・ケア認定医 4 名が参 画しています。
- 日本プライマリ・ケア連合学会認定のプライマリ・ケア認定医、及び家庭医療専 門医
- 全自病協・国診協認定の地域包括医療・ケア認定医
- 日本病院総合診療医学会認定医
- 大学病院または初期臨床研修病院にて総合診療部門に所属し総合診療を行う医 師(卒後の臨床経験 7 年以上)
- (4)の病院に協力して地域において総合診療を実践している医師(同上)
- 都道府県医師会ないし郡市区医師会から≪総合診療専門医専門研修カリキュラ ムに示される「到達目標:総合診療専門医の 6 つのコアコンピテンシー」について 地域で実践してきた医師≫として推薦された医師(同上)
21.専門研修実績記録システム、マニュアル等について
研修実績および評価の記録
PG 運用マニュアル・フォーマットにある実地経験目録様式に研修実績を記載し、指導医 による形成的評価、フィードバックを受けます。総括的評価は総合診療専門研修カリキュラ ムに則り、少なくとも年 1 回行います。
金沢医科大学総合診療センターにて、専攻医の研修内容、目標に対する到達度、専攻医の自己評価、360 度評価と振り返り等の研修記録、研修ブロック毎の総括的評価、修了判定等の記録を保管するシステムを構築し、専攻医の研修修了または研修中断から5年間以上保管します。
PG 運用マニュアルは以下の研修手帳(専攻医研修マニュアルを兼ねる)と指導者マニュアルを用います。
- 研修手帳(専攻医研修マニュアル)
所定の研修手帳(資料1)参照。
- 指導医マニュアル 別紙「指導医マニュアル」参照。
- 専攻医研修実績記録フォーマット
所定の研修手帳(資料1)参照
- 指導医による指導とフィードバックの記録
所定の研修手帳(資料1)参照
22.専攻医の採用
採用方法
HGMC金沢医大プログラム管理委員会は、毎年7月から説明会等を行い、総合診療科専攻医を募集します。プログラム への応募者は、9 月 30 日までに研修 PG 責任者宛に所定の形式の『HGMC金沢医大プログラム 応募申請書』および履歴書を提出してください。
申請書は (1)電話で問い合わせ(076-286-2211内線5404)、(2)e-mailで問い合わせ(moriya@kanazawa-med.ac.jp)、のいずれの方法でも入手可能です。原則として 10 月中に書類選考および面接を行い、採否を決定して 本人に文書で通知します。
応募者および選考結果については 12 月の HGMC金沢医大プログラム 管理委員会において報告します。
研修開始届け
研修を開始した専攻医は、各年度の 5 月 31 日までに以下の専攻医氏名報告書を、HGMC金沢医大プログラム管理委員会(noriya@kanazawa-med.ac.jp)に提出します。
- 専攻医の氏名と医籍登録番号、専攻医の卒業年度、専攻医の研修開始年度
- 専攻医の履歴書
- 専攻医の初期研修修了証