臨床研究

悪性リンパ腫 MR-CHOP療法

研究タイトル中枢神経悪性リンパ腫に対するMR-CHOP療法(MTX大量+R-CHOP併用療法)に関する前方視的臨床研究(UMIN R000023680)
研究期間倫理委員会審査承認後(2015年8月17日)〜2030年7月31日
研究目的1)MR-CHOP療法;MTX大量療法(2g/m2)+R-CHOPを6コース行い。寛解導入とする。
この治療法で従来は極めて予後不良とされている本疾患に十分な治療効果が得られるかどうか。
2)施行可能な症例ではRituximabを用いたin vivo purgingを含めた自家末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法を行い、予後の改善に寄与しうるかどうか。
研究意義中枢神経原発の悪性リンパ腫(PCNSL)の殆どは、びまん性大細胞Bリンパ腫(DLBCL)であるが、中枢神経以外の部位より発生する通常のDLBCLに比べ明らかに予後が不良である。パイロット・スタディとしてMR-CHOPで加療した症例においては、十分な治療効果と安全性、簡便性が確認されたため、phase II trialとして、治療成績/安全性を検証し、前方視的臨床試験を行い、その結果は論文発表した(Masaki Y, et al. High dose methotrexate with R-CHOP therapy for the treatment of patients with primary central nervous system lymphoma. Int J Hematol 93:720-726,2011) その後、新規抗がん剤の登場を待つも現在のところ本疾患には新規抗がん剤が使用できる状況にはないため、以前と同様の治療を行い症例数を増やし、データを蓄積する事とした。
対象・研究方法適格基準
1)中枢神経原発B細胞性リンパ腫(CD20陽性)で病理学的に確診がついているもの、または臨床所見・画像診断として中枢神経病変があり脳脊髄液*の検査にてリンパ腫の髄膜播種(CD20陽性)が確定されているもの。
2)成人(20歳以上)初発例を対象とする。
3)書面により本人もしくは代諾者の同意が得られた症例
 (意識障害者や全身状態不良者などの場合は、代諾者より書面により同意を取得する)

除外基準:
1)中枢神経以外にも明らかな病変を有する症例→むしろIVL治療プロトコールを推奨
2)明らかな重症感染症が証明されている症例
3)以前に悪性リンパ腫に対して化学療法歴がある症例
4)HIV陽性、HTLV1陽性、HBV-Ag陽性症例(HCV抗体単独陽性者は除外しない)
5)担当医が本研究への登録に不適格と判断した症例

試験のアウトライン

試験薬投与期間:MR-CHOP1コース(21日間) × 6コース
後観察期間 :6ヶ月に1回(患者死亡もしくは治療終了後10年後まで)
研究機関名金沢医科大学病院ほか、参加希望施設で倫理審査委員会の承認の得られた施設
個人情報の取り扱い検査データ・その他は匿名化を行い、これに関わる個人情報は、個人情報管理者によって厳重に管理されます。研究成果の発表時を含め、外部に公開されることは一切ありません。
その他この試験は、これまでの研究・試験結果に基づいて科学的に計画され、患者さんの安全を最優先に慎重に行います。また、使用するお薬は、既に厚生労働省から認可を受けて発売され、治療に用いられているものです。 もし、この試験により健康被害が生じた場合は、通常診療の範囲で最善の治療を行います。抗がん剤や生物学的製剤、免疫抑制剤は、副作用被害救済制度の対象とはなりませんのでご了承ください。
問い合わせ先
研究責任医師:正木康史
金沢医科大学病院 血液免疫内科
住所:石川県河北郡内灘町大学1-1
TEL 076-286-2211(内線:3516) FAX 076-286-9290
※ご連絡の際には、お名前/金沢医科大学病院の診察券番号/拒否する研究のタイトルをお知らせください。