当部は、兼任医師3名、理学療法士29名、作業療法士19名、言語聴覚士3名、介護福祉士5名、受付1名の総勢60名(2024年6月現在)で氷見市の中核病院としてリハビリテーションを提供しています。
医療保険による急性期リハビリ、回復期リハビリ(49床・365日リハビリ実施)、介護保険による通所リハビリ、訪問リハビリ、リハビリに特化した短時間通所リハビリの5部門を展開し、それぞれが密接な連携をとり、身体機能の改善のみではなく家庭内や社会への復帰や参加も視野に入れた取り組みを日々実践しています。
基本的な診療に対する姿勢として、患者ファーストを心がけています。患者さんのことを第一に考え意向をくみ取り、個々にあった目標を提示し、同意のもと診療を行っていきます。
氷見市の人口は4万3千人となり、県内でも高齢化率の高い地域です。海と山に囲まれ自然豊かな環境ではありますが、交通の便は決してよい状態ではない地域環境において、氷見市唯一の総合病院として当院の役割は大きいものであると考えております。
入院時から在宅生活期においても、一貫して当院のリハビリテーションを安心して受けて頂くために、リハビリテーション部スタッフ一同、日々精進していきます。
急性期では、各種手術の前後や入院早期から、必要に応じて医師の指示・処方と患者家族の同意を基にリハビリテーションを開始しています。病状が安定するまでは病室や病棟で体力や筋力の低下を防ぐための訓練を実施し、症状が安定してくれば、1階のリハビリテーション室に場所を移動して、訓練の種類や量を増やしていきます。当院の回復期病棟の適応基準を満たせば、4階の回復期病棟への移行を多職種間で検討し、途切れのない誠実なリハビリテーションを実施しています。
○理学療法部門
理学療法では、手術前よりその方の状態・状況に応じて早期に運動を開始することで、筋力低下や関節拘縮などの二次的合併症の予防に努めていきます。症状の安定後は寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩くといった基本的な動作訓練や治療体操、物理療法などを利用して、患者さん一人一人に合った退院後の社会復帰する為のお手伝いを実施しています。
○作業療法部門
作業療法では、機能訓練による身体機能の改善に加えて、食事や更衣などの日常生活動作へのリハビリを行っており、退院後に身の周りの動作が再び行えるように支援しています。またご自身でリハビリテーションをして頂くために自主訓練の指導や、障害が残る人に対して生活が過ごしやすくなるための自助具の作成を行っています。
最近では認知症疑いがある方や高次脳機能障害のある方に対して、認知機能評価や高次脳機能評価を行っています。またドライブシミュレーションの機器を利用することで、高齢者の運転免許更新で再検査が必要と判断された方や、身体機能障害や高次脳機能障害のある方に対して自動車運転評価も実施しています。
○言語聴覚療法部門
言語聴覚士は脳卒中や交通事故などの後遺症、生まれつきの障害のため「話す」「聞く」「食べる」に不自由さを抱えている人へのリハビリテーションを行います。
当院では、脳卒中などの後遺症により、言いたいことばが出てこない、ことばの意味が理解できない、字が書けないと言った「失語症」、集中力が持続しない、覚えることが難しいなどの「高次脳機能障害」、舌や唇の麻痺などで発音がうまくできない「構音障害」の方に対し、適した検査・評価を行い、必要に応じて個々に応じた訓練・助言・その他の援助を行います。
また食べ物でむせる、うまく飲み込めない「摂食嚥下障害」の方に対しては、耳鼻咽喉科医による専門的な検査を行い、看護師や管理栄養士など多職種と連携しながら食べる訓練や食形態の調整、食べ方の検討を行います。
患者さんやご家族の方の気持ちに寄り添い、自分らしい生活が送れるように支援いたします。
回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患や大腿骨頸部骨折などの急性期の治療を終え、様々な後遺症を抱えながら、医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対して、専門職が集中的に介入し、心身ともに回復した状態で在宅や地域・社会に戻って頂くことを目的とした病棟です。
当院では365日の個別リハビリテーションを提供し、患者さん一人ひとりに必要な機能訓練を提供し、「歩く」「食べる」「着替える」「お風呂に入る」など退院後の生活を見据え、動作能力の改善を図ります。また必要に応じて調理や掃除などの家事訓練や、ご自宅に訪問して手すりの設置や段差解消など環境調整や住宅改修への助言を行っています。
病棟内での離床・活動機会を増やすため、安全性を検討した上で看護スタッフと連携し、「歩行器を使用して歩く」「トイレで排泄する」「お風呂に入る」など実際の日常生活を想定した援助を行います。
その他、退院やリハビリテーションを進める上での医療的・社会的問題に対しても、医師・社会福祉士・管理栄養士・薬剤師などの多職種と連携し、リハビリテーション専門職種として『より最良のサービス』が提供できるよう援助させて頂きます。
訪問リハビリテーションでは、要支援・要介護認定をお持ちの方を対象に利用者様の状態に応じて、実際の生活の場でリハビリテーションを行っています。急性期・回復期の入院治療を終えた後、在宅生活に慣れるまでの間の援助や必要とされる指導・相談を行い、切れ目のないリハビリテーションを提供しています。
日常生活動作の改善や維持、社会復帰への援助、介護負担軽減など利用者様・ご家族様それぞれの目標に向けて、安全にその人らしい生活を送れるように援助していきます。
自宅で生活を送る際、ご本人やご家族が慣れるまでに時間がかかることや、十分な活動量を確保できず全身状態の低下に陥る可能性もあります。通所リハビリはそのような方へ、身体機能や動作能力、日常生活動作能力の維持・向上、メリハリのある生活、介護負担軽減などを目的に行うサービスです。
専門スタッフによる医療的ケア、専門的なリハビリテーション、介護スタッフによる食事や入浴といった日常生活を支援するサービスを提供しています。家族やケアマネージャー、関係する他の事業所とも連携をはかり、充実したサービスを提供させていただきます。
当院では2018年4月から短時間通所リハビリテーションサービスを行っております。短時間通所リハビリテーションとは、症状が安定した介護保険をお持ちの方にリハビリテーションを提供するサービスです。
当院では80分間(午前または午後)のリハビリに特化したサービスを提供しています。当院の短時間通所リハビリテーションの特徴としては、
1)病院併設のため診療と連携がとれる安心感
2)短時間でリハビリを集中的に行えること
3)送迎があり利用しやすいこと(送迎無しでの利用も可能)
などの特徴があります。
当院は2019年2月に「富山県地域リハビリテーション 地域包括ケアサポートセンター」の指定を受けています。主な役割は介護予防事業へのリハビリ専門職の派遣による技術的支援と派遣調整を行うことです。また、介護予防などに関する住民への普及啓発の役割として、地域の集いの場に出向いて100歳体操の指導を行うことや、地域ケア会議に出席しリハビリ専門職としてのケアマネジメント支援活動に取り組んでいます。
・脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
・運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)
・呼吸器リハビリテーション料 (Ⅰ)
・がん患者リハビリテーション料 (Ⅰ)
・廃用症候群リハビリテーション料 (Ⅰ)
・心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
・回復期リハビリテーション病棟入院料1
理学療法 7校/年
作業療法 3校/年
認定資格名 | 人数 |
---|---|
心臓リハビリテーション学会 指導士 | 3 |
糖尿病療養指導士 | 2 |
3学会合同 呼吸療法認定士 | 4 |
腎臓リハビリテーション指導士 | 1 |
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 | 1 |
がんリハビリテーション研修終了 | 9 |
回復期リハビリテーション病棟協会 セラピストマネージャー認定証 |
1 |
IPNFA ベーシックコース | 2 |
IPNFA アドバンスコース | 1 |
加圧トレーニングインストラクター | 1 |
ストレッチポールベーシックインストラクター | 1 |
ケアマネージャー | 3 |
福祉住環境コーディネーター | 9 |
福祉用具プランナー | 3 |
サルコぺニア・フレイル指導士 | 1 |