- 科長のメッセージ
- 当科の日常業務として、①地域の基幹病院の一般内科としての診療と、②腎臓病の専門的な診療を行っています。
一般内科としては時間外外来を含む外来診療から入院管理について、一般的な内科疾患を担当しています。地域がら高齢者の患者さんが多く、介護保険制度との連携などにもかかわりながら早期診断、早期治療、早期退院、再発予防を意識して診療しています。
腎臓病の専門的な診療としては、腎炎や血管炎症候群の治療、血液浄化センターにて腎代替療法や血漿交換療法などを行っているほか、院内で発生する急性腎障害などの腎疾患に対応する診断・治療、手術前後のサポート、集中治療室などでの急性血液浄化療法を行っています。日常的にブラッドアクセスのケアにも携わっていることから中心静脈へのカテーテル操作や経皮的血管形成術などの手技も習得可能です。
『地域医療に興味があって、総合的な診療と同時に専門性のある知識も身に付けたい』と考えている方には興味深い仕事だと思っています。個人のキャリアパスについてもご相談にお答えしていますので興味のある方はご相談ください。
- 科長
齋藤 淳史(さいとう あつし)臨床准教授
- ● 専門分野
- 一般内科、腎臓病
- ● 得意分野
- 慢性腎不全の合併症
- ● 所属学会・資格
- 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、
日本透析医学会専門医・指導医、日本臨床腎移植学会、日本腹膜透析医学会
日本感染症学会・ICD(infection control doctor)、日本化学療法学会
厚生労働省臨床研修指導医、博士(医学)
- 概 要
人体の体液ミネラル管理や酸塩基調節、薬剤排泄の重要器官である腎臓を中心とした、全身管理ができる内科として診療を行う。一般内科の診療としては高血圧、糖尿病,脂質代謝異常症などの二次検診の診察・管理から、脳血管障害、認知症、肺炎、心不全、胆のう炎、胃腸炎、尿路感染症など、高齢化社会を背景とした多彩で込み入った病状の診断・治療・再発予防を一塊と考えた診療を意識している。
腎臓病について、一時的な腎疾患として、慢性腎炎やネフローゼ症候群の診断・診療を大学病院と連携して行っている。二次的な腎疾患としては急性腎障害や急速進行性糸球体腎炎をきたす血管炎症候群などの比較的緊急性を有する疾患や、糖尿病を初めとする慢性腎臓病などの慢性的な管理・指導が必要な診療も行っている。
治療法としてはステロイドパルス療法などの免疫抑制剤の投与のほか、腎機能に準じた各種薬剤の投与について習得する。また腎代替療法としての透析療法や腎移植について、大学病院と連携した診療を行っている。そのほか、持続的血液濾過透析やLDL吸着療法などの血液浄化療法も日常的に行っている。
- 特徴・特色
外来診療の一部として、血液浄化センター業務を行ている。ここでは透析患者の日常診療として診察のほか、定期検査にて電解質異常や体液異常を評価しアドバイスすることで患者の自立の手助けを行う。また、長期合併症の予防・管理の目的で頸動脈エコーや心エコー、末梢動脈疾患のスクリーニング、骨密度検査やCT検査などで全身評価を行い日常生活の改善点などを患者へ説明している。
他職種による各種カンファレンスの参加を大事にしている。研修医や若手ドクターにも積極的にカンファレンスに参加し、発言できるような環境作りを心掛けている。
指導担当医
プログラムの目的
- ①
- 一般医療の習得
病歴聴取、身体所見から疾患や病態を予想し鑑別、さらに各種検査にて絞り込みを行い、一番問題になっている病状を読み取り治療につなげる。加齢と疾病を理解し、最も良いと思われる医療を提供する能力を養う。検査・治療の限界も理解する。
- ②
- 専門分野の習得
自分の得意分野を身に付け、医師間のコミュニケーション能力を養う。専門的な立場から、診断や治療方針へ提言できるようになる。
研修内容と到達目標
- 問 診:
- 自己紹介から始まりopen questionで「もっとも心配していること」を聞き出す。次にclosed questionで不足する情報を聞き出す。
- 身体所見:
- 初回の身体所見を広く収集することと、その後の変わりゆく所見を判断できること。
- 患者背景:
- 生活状況、日常での予防に繋がること、介護状況、家族背景などの情報を収集し、key personへの病状説明など、お互いの情報の共有ができる。
- 専門手技:
- ブラッドアクセス一般に対する知識、使い分け、工夫ができる。腎代替療法などの専門的知識と技術を取得する。
- 院内活動:
- 広く多職種のコメディカルスタッフとの情報交換、交流ができる。
- 院外活動:
- 学会、研究会へ積極的に参加し質疑応答ができるようになる。
取得できる認定医、専門医(必要な期間)資格
日本内科学会:認定内科医 |
学会入会後3年 |
総合内科専門医 |
認定内科医資格取得後3~5年 |
日本透析医学会:透析専門医 |
基礎学会の専門医・認定医取得後 併せて3年後 |
*日本腎臓学会:腎臓専門医 金沢医科大学腎臓内科学 医局と要相談 |
週間スケジュール
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8時 |
9時 |
昼 |
14時 |
準夜帯 |
月 |
新患カンファ |
外来 |
血液透析 |
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血液透析 |
帰学日① |
氷見内科 医局会 |
火 |
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血液透析 |
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外来 |
血液透析 |
水 |
抄読会 |
経皮的血管 形成術 |
血液透析 |
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血液透析 |
帰学日② |
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木 |
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救急外来 |
血液透析 |
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外来 |
血液透析 |
金 |
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外来 |
血液透析 |
腎内カンファ |
血液透析 |
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土 |
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血液透析 |
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血液透析 |
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◎ 月曜・水曜の帰学日は学会準備などの都合で入れ替えもありうる ◎ 第4土曜日(または第3土曜日)齋藤不在
研修医が心がけるべき点など
- ① まず、『患者さんを診る』ことを心掛けてください。
患者さんの訴えを聞いて身体を診て、患者さんのこころ(気持ち・考え)を診て、さらに患者さんの家族の訴えやこころ(気持ち・考え)を診ることが大切だと思います。病気に対する「想い」は人それぞれ異なっていたり、その立場によっても変わってしまいます。目の前の患者さんに対して「どんな医療」が最適なのか、『ワインのソムリエ』のようにお勧めできるようになりましょう。
- ② 発言しよう。
せっかく参加した抄読会やカンファレンスなどでは,「何か一言」発言するよう心掛けてください.患者・家族とのコミュニケーションのほか、上級医との的確な情報交換や申し送りも必要となります。コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力も養いましょう。