03/10/20
■ 消毒用アルコールの濃度について
【質問】
 手指消毒や血流感染防止に使用するアルコールの消毒効果として70%アルコールがよいとされていますが, 実際には70%以上, 例えば70〜100%などのアルコールの方が効果が高いのですか??? それとも70%が最も効果があるのでしょうか???

【回答】
 消毒は一種の化学反応ですから, 他の化学反応と同じように, 濃度が高いほど, 反応温度が高いほど, 反応時間が長いほど, その消毒の効果は高まります。しかし消毒には適当量の水分が常に必要です。アルコール類の殺菌・消毒力はその炭素の数が多くなるほど強くなるとされていますが, 炭素の数が多くなると水に対する溶解性が減少し, 逆に殺菌・消毒力は低下してしまいます。またアルコールの消毒には水分の影響が特に大きく, 100%のエタノールにはほとんど殺菌・消毒力がありません。70%エタノールがもっとも強い殺菌・消毒力をもつと言われてきましたが, 現在では60〜95%の濃度範囲であればその殺菌・消毒力にはほとんど差がないと言われています。

 またウイルス, 特に脂肪で構成されるエンベロープをもつウイルスにアルコールは有効ですが, この場合には脂肪に反応してこれを破壊することから, 100%あるいはそれに近い濃度がもっとも消毒効果が高いと言われています。

(琉球大学・山根 誠久)

【質問者からのお礼】
 ご親切なご回答ありがとうございました。またわからないこと等でお聞きすることがあると思いますが, お願い致します。

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