■ 細菌培養と“光” | |
【質問】
初めまして。インターネットで検索をしていくうちに, こちらのホームページを偶然拝見しました。まったくの門外漢なので, 的外れな質問かと思いますがお許し下さい。 田舎の個人事業主ですが, 現在, LED照射と植物の花芽生成に関するささやかな研究を行っています。先日, ある医療関係の方から, 細菌の培養スピードが遅いので, それを促進する為に光の照射が有効ではないか??? との質問を受けました。その方もそのような実験をなされたこともないようで, 単なる思いつきで仰ったことのようです。インターネットにて, 光と細菌の培養をキーワードにそのような研究や実績があるのか検索してみましたが, これといった情報は得られません。そこで質問なのですが, “そもそも細菌などの培養に光の照射が何らかの影響があるのでしょうか???”若しくは影響する可能性はあるでしょうか??? ご教授の程, よろしくお願いいたします。 【回答】
(愛媛大学・村瀬 光春) 初めまして。ご丁寧なお便り, ありがとうございました。 私の地元は, LEDの200億円訴訟などで最近何かと話題の日亜化学のお膝元です。ポカリスェットの大塚製薬,
一太郎のジャストシステム以外にこれといった企業もない処ですので, LEDの日亜化学は全県あげてのBACK-UPと言うか,
とにかく何にでもLEDを照射してみてようという空気が充満しています。青色のLEDを照射するとイチゴに虫が付かなくなったとか,
病気の魚が治ったとか, 本当かウソか判別のつかないような話がとびかっている状況ですが,
中にはしっかりとした科学的な研究もそれなりに進んでいます。光と植物の成長に関しては,
相当以前から研究されてきているようですが, LEDの登場で比較的シャープな波長帯の光が簡単に照射できるようになったので,
また改めて見直されているような感じです。葉緑素をもつ植物に関しては, 赤色が植物の成長を促進し,
青色は抑制する, 花芽の形成には青色が有効などなど, この波長の変化と照射時間,
温度などを組み合わせることにより, 植物の成長や開花時期をコントロール出来そうです。また葉緑素を持たないキノコでも,
青色の照射で面白い変化が見られたという報告もあります。光と細菌増殖についてはあまり研究されていないようですので,
案外思いがけないことが起こるかも知れませんね。頂いたアドバイスを参考にして,
考えてみたいと思います。ありがとうございました。
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