04/05/31
■ βラクタマーゼ検査について
【質問】
 お忙しいところ恐れ入ります。βラクタマーゼ検査のため, ニトロセフィン法で行ないました。Oxoid社のNITROCEFINを用い, Broth Methodにて行ないました。Escherichia hermannii (ATCC33650) では, 何度行なっても30分以内に黄色から赤色と変化しました。しかしEscherichia coli (ATCC33650) では30分までは黄色のままで, 45分過ぎぐらいから赤色へと変化します。プロトコールでは30分以内の変化と書いてあるのですが・・・この場合, 時間を過ぎてからの反応はβラクタマーゼ陽性といえるのでしょうか??? 

 それともうひとつの質問は, はっきりとβラクタマーゼ陰性菌, 陽性菌と確定しているものはあるのでしょうか???

【回答】
 βラクタマーゼ試験の判定は, 使用説明書に従って, 30分以内の変化で判定することが必要で, E. coliは“陰性”となります。E. coli は染色体上にクラスC型のセファロスポリナーゼを持っていますので, それが判定を惑わす原因です。アンピシリンに感性を示すE. coli でも, 時間の経過とともに弱陽性に呈色することがしばしば観察されますので, 判定の時間は30分以内を厳守される必要があります。βラクタマーゼ試験では, 常に以下の陽性株と陰性株の対照を置いて, 同時に試験, 判定してください。

陽性株: Staphylococcus aureus ATCC29213
陰性株: Haemophilus influenzae ATCC10211

(愛媛大学・宮本 仁志)

【質問者からのお礼】
 お答えいただきありがとうございました。お答えを参考にして研究を進めていきたいと思います。


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