03/08/19
03/08/21
■ ビフィズス菌の培養について
【質問】
 卒業論文でビフィズス菌 (Bifidobacterium breve, B. bifidum) を扱っています。これらの菌は通性嫌気性菌ということですが, どれくらいの酸素濃度まで培養できるのでしょうか??? いままで培地を窒素置換して, そのまま37℃で培養していたのですが, うまく培養できませんでした。ガスパック (嫌気状態を作る) を用いたほうがよいのでしょうか??? また, 培地は変法GAM培地 (ニッスイ) をそのまま用いていたのですが, 培地の組成を変えたほうがよいのでしょうか??? よろしくお願いします。

【回答】
 Bifidobacterium は炭酸ガスが豊富であれば, 確かに酸素存在下でも発育可能です。従って, 分類学者は“通性嫌気”という表現をします。しかし, その発育は嫌気性の環境のほうが比較にならないくらいすぐれています (そのため, 臨床細菌学では嫌気性菌として扱うのが普通です)。あなたの場合, 菌の回収量を多くしたいなら嫌気培養法で培養すべきです。また変法GAM培地は, ある理由からオリジナルのGAM培地から糖分 (Dextrose) をかなり減量した処方としたものですので, 不適でしょう。ぜひ糖Dextrose (かなり加えてもよいと思います) を追加して用いて下さい。培養したい細菌種の利用する糖を選択していただいて結構です。BS培地 (日水または栄研) はBifidobacteriumに適した培地です。

(岐阜大学・渡邉邦友)
【質問者からのお礼】
 私の質問に対し, 丁寧な回答をしていただきありがとうございました。さっそく教えていただいた方法で研究を進めていきます。これからもこのページを見させていただきます。ありがとうございました。
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