■ 新感染症予防法と検査室のバイオハザード対策 
【質問】新しく感染症予防法が制定されましたが, その中では対象となる感染症が1類から4類まで分類されています。この類型分類の設定で, 細菌検査室の設備に関し, 特別の配慮が必要となりますか???  特にバイオハザード対策についてはどうですか。
 

【回答】感染症新法の1類に定められた感染症 (ラッサ, マールブルグ, ペスト, エボラおよびクリミア・コンゴ出血熱) に関する検査は, 特定感染症指定医療機関 (全国に2-3箇所) または各都道府県に設けられる第1種感染症指定医療機関が行います。指定された場合は, 当然設備が必要です。また、指定されなくとも普段細菌検査室で扱っている結核, チフス/パラチフス菌 (2類感染症) などは本来バイオハザード対策が講じられた安全検査室 (P-3) で扱うべき病原微生物ですので安全検査室は必須です。
 細菌検査に従事する検査技師の結核罹患率が, 健常人の400倍以上であるということが, これまでの設備の不十分さを証明しています。また今後, 結核検査が液体培養やマイクロプレートで迅速に実施されていくことは, 患者にとって利益ではありますが, 設備の不十分な検査室においては導入すべきではないと考えます。

(大阪大学・浅利 誠志)

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