02/06/11
■長期バルン留置患者の膀胱洗浄の有効性について
【質問】
 こんにちは。私は脊髄損傷病棟に勤務している看護士です。今回長期バルン留置患者の膀胱洗浄の有効性について研究をしています。脊髄損傷患者は長期にバルンを留置していると膀胱内に細菌が進入してしまい, 無菌的膀胱とは呼べないと思います。すでに細菌感染している膀胱でなおかつ結石がつくられる, 残尿が停滞している膀胱の場合, 膀胱洗浄の有効性というか, 脊髄損傷患者で長期バルン留置している患者には膀胱洗浄が必要であるという内容の文献をすでにお持ちの方はぜひ御協力していただけないでしょうか??? そのような内容の文献を今必死に探しています。宜しくお願いします。

【回答】
 膀胱洗浄することで感染症を減らすことを立証した科学論文はありません。チューブの閉塞を回避するための洗浄は行いますが, APICのガイドラインでも感染症を対象に行うことは勧められておりません。APIC Text of Infection Control and Epidemiology vol. 2 の 92A―1〜92A―10 の Guideline for Prevention of Catheter-associated Urinary Tract Infections をご覧になって下さい。そこから必要な文献を検索することもできます。本書は院内感染防止に関する国際的に認知された記載が示されておりますので、ご購入されることを勧めます。

(京都大学・一山 智)

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