02/02/13
■ カニューレ類の洗浄時のマスクの必要性
【質問】
 今, 施設内での具体的な院内感染対策, 特にMRSA対策を作成中なのですが,迷っているのが処置時にマスクを使用すべきかどうかです。処置内容はカニューレの内筒の洗浄です。時には吸引もあります。その際むせることもありますので, ガーゼなどでカニューレ口を覆うようには注意をしているのですが, さらにマスクが必要でしょうか。MRSAの感染経路は接触感染であること, 処置時間はごく短いこと, 一方, 菌量が多いこと, 鼻粘膜に付着しやすいことなどを考えあわせると迷っております。療護施設勤務の看護婦です。宜しく, お願い致します。

【回答】
 MRSAの伝播形式は「接触感染」および「飛沫感染 (エアロゾル感染)」です。未消毒のカニューレの洗浄や吸引時には明らかにエアロゾルが生じますので, 手袋, マスクおよび帽子の着用が基本です。帽子の着用が困難な場合は, 業務終了時に洗髪を行って下さい。また仮に一次消毒を行ったカニューレだとしても, HBV, HIV, HCVなどのエアロゾル感染も考慮すべきですから, マスクは着用することが基本です。療養施設内でのHBV感染対策のひとつとして, エアロゾルが発生する作業時の感染対策が重要です。

(大阪大学・浅利誠志)

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