02/09/20
■ セレウス菌のコロニー識別について
【質問】
 私は食品の細菌検査を始めて約1年になります。数ヶ月前よりセレウス菌の検査 (NGKG培地使用) を始めましたが, 判定で悩んでいます。文献, ネットでの検索など, 答えを探しましたが, 解決しません。
 判定方法には, “セレウス菌は3〜5 mmの白色コロニーで舌苔状, ハローを呈する”とありますが, 3 mm以下のコロニーで, コンラージ棒で万遍なく広げているのに1部分に偏り, シャーレを透かして見るとハローがあるようにも見えます。耐熱性もありました。
 ポイントは何でしょうか??? コロニーサイズ, ハローの色, コロニーとハローの比率 (面積比)・・・・・
 間違いなくセレウス菌の判定をする方法をご指導いただければ幸いです。

【回答】
 セレウス菌の同定ですが, 「NGKG培地で3〜5 mmの白色の舌苔状, ハローを呈するコロニー」でほぼ間違いないと思われます。ハローとは卵黄反応ですから, コロニーの周囲に白濁が見られます。コロニーとハローの比率は2 : 4〜3 : 5くらいと思われます。質問のコロニーの偏りですが, 完全に乾燥した培地を使用しているかどうかではないでしょうか。培地が傾いてしまうと流れてしまいますので, 使用前に完全に表面が濡れていないかの確認を行えば, ほぼ間違いないと思われます。可能でしたらグルコース (陽性), アラビノース (陰性), キシロース (陰性), マンニトール (陰性) の糖の分解, 運動性 (陽性) を確認してはいかがでしょうか。ただ, セレウス菌と同定されても, 病原性のあるのはエンテロトキシン産生株ですので, 毒素の証明は必要になります。

(愛媛大学・宮本 仁志)

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