03/02/06
■ 超音波ネブライザーの正しい消毒方法について
【質問】
 超音波ネブライザー内に入れる蒸留水の感染が米国で取り上げられ, 現在は使用されていないと聞きました。これにより, 当院でも文献を探しています。超音波ネブライザーの正しい消毒方法についてお聞きしたく, メールしました。

【回答】
 “超音波ネブライザー内に入れる蒸留水の感染”とありますが,“蒸留水の感染”というより,“ネブライザーの薬液注入部”の感染対策としての“正しい消毒方法”として考えてみましたが,宜しいでしょうか。

 手元にあるガイドライン (国立大学医学部附属病院感染対策協議会 病院感染対策ガイドライン) では,「ネブライザーの薬液注入部は高レベル (グルタールアルデヒドなど) あるいは中レベル (次亜塩素酸など) による消毒を行い,滅菌水で洗浄後に空気乾燥を行う」とあり,いずれにしてもネブライザーの薬液注入部は消毒するとされています。一方,CDCガイドラインの院内肺炎を予防するための勧告では,「ネブライザーは,患者毎に滅菌または高レベル消毒を実施済みのものと交換する」とあり,ネブライザーは滅菌または消毒するとなっています.

 私たちの施設ではネブライザーの薬液注入部を昨年までミルトン (次亜塩素酸ナトリウム) で消毒していました。しかし,薬液注入部から抗酸菌が複数回検出されたため,現在は滅菌 (プラズマ滅菌,ステラッド) に変更しています。すべての施設がプラズマ滅菌を所有しているわけではなく,また私たちは薬液注入部のプラズマ滅菌について費用計算を行っていません。酸化エチレンガス滅菌を行うとなると別の注意が必要になります。

 “正しい方法”はひとつではなく,いくつかあり,その選択は施設に任されていると考えられます。

(琉球大学・久田 友治)

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