■ ダイレクトTB陽性になってしまった病院職員の扱いについて | |
【質問】
強い結核疑いの職員が出たため検査を行ったところ, 塗抹は陰性でしたが, ダイレクトTB陽性でした。二ヵ月後には培養も陽性になりました。本人の年齢が若く (20代半ば), 臨床症状も一週間の入院で軽快したとのことで, すぐに職場に復帰して来ました。排菌していないとのことでの措置だったようですが, そのようなことで良いのでしょうか??? 今回のような措置は前例がなく, 正直いいのかな??? とどうしても気になります。問題ない措置であれば良いのですが, 本来はこのような時, どのような措置が考えられるのでしょうか??? お教えいただけたら幸いです。 【回答】
まず, 強い結核の疑いがあるのですから, 本人にはなんらかの自覚症状があった筈です。慢性疾患である結核を疑わせるような臨床症状が一週間の入院で軽快するとは考えられません。それと, 塗抹は陰性とのことですが, 採用されている検査方法はどのようなものでしょうか。検査方法によっては偽陰性が数多く発生します。培養して陽性になったということですが, 結核菌が分離されたのでしょうか。その時の菌数はどの程度だったのでしょうか。菌数が少なければ, 塗沫は陰性でも, ダイレクトTBが陽性になることも考えられます。 この患者が結核として確定診断されたのか否か (培養で検出されたものが結核菌であったのか否か) が明確に記載されていません。もし培養で結核菌が分離されたのであれば, 明確な結核ですので, 手続きと措置は, (1) 保健所に届け出, (2) 結核と診断された職員の家族の検診, (3) 接触した同僚の検診などを行い, 患者本人には抗結核薬を3月〜6月間服用させます。 (国立都城病院・齊藤 宏)
【質問者からのお礼】
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