■ 使い捨て手袋を入れた箱の表面がMRSAに汚染!!! | |
【質問】
初めまして。臨床検査技師です。質問をお願いいたします。 先日, 院内の環境調査で, サクションの際などに利用されている“使い捨てのプラスチック・グローブの箱の表面”の培養からMRSAを多数検出しました。MRSA感染 (保菌) の患者を集めている部屋のため, MRSAが検出されるのは予想はしていましたが, この箱の表面から検出されるのは問題ではないのか??? という疑問がわいてきました。グローブを使う際に, 中も外側もMRSAに汚染されていることが考えられるからです。その後, 他の病棟も調査しまして, MRSAが検出される箱は何箱かありました。MRSA感染の拡散防止には手洗いが肝心ですが, この場合はどう考えれば良いでしょうか??? 何か改善すべき点はあるでしょうか??? よろしくお願いいたします。 【回答】
医師や看護士さんが, プラスチック・グローブの入った箱を素手でさわる時に, 箱のMRSA が付着しているようです。これにより, 医療従事者の手がいかにMRSAにより汚染されているかを知ることができます。院内がMRSAに汚染された環境にありますと, ヒトが頻回にさわる部位からは, MRSA汚染により, 高率にMRSAが検出されます。これと同じように考えてよろしいと思います。 医療従事者の手が汚染されているようですので, 医療行為をする前の手洗いの励行が必要と考えます。まずはプラスチック・グローブをとる前に, 手洗いをするのが基本です。プラスチック・グロ−ブの使用頻度にも関係しますが, 箱の使用期間が長くなるほど, 箱のMRSA汚染は高まりますので, 早めに新しいものに取り替える必要もあるでしょう。 (近畿大学・古田 格)
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