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【質問】液体培地(MB/BacTを用いてます)から直接抗酸菌の同定を行いたいと思ってます。DDH法による同定を考えてますが、液体培養で陽性となって直ちに行いたいのですが、十分なDNAの回収が見込めないようです。なにかよい方法があったら教えて下さい。
【回答】
液体培地に発育した抗酸菌より, “簡便でしかも安く, 迅速に”DDH法での同定に必要な充分量のDNAを回収するという課題は,
現在でも皆さんに公平に与えられた“知恵比べ”のテーマです。
AccuProbe法では陽性検体より直接M. tuberculosis complexとM. avium complex
が同定できますが, それ以外の菌種やM. avium とM. intracellulareを鑑別する必要がある場合にはどうしてもDDH法が必要となります。
私達の検査室では, アセトン風乾法を考案し, ルーチン業務に応用しています。方法は,
まず10 ml程度の陽性の液体培地を3,000 rpm, 10分間遠心します。,その沈渣に純アセトン2滴を滴下して1時間放置して風乾させます。少量の蒸留水に再浮遊してDDHにかけるというものです。この方法で70%の検体は同定できますが,
残る30%が同定不能で残されます。この方法と評価成績は間もなく発刊される次号のJARMAM
11(1)に掲載予定です。
従って実際の同定にあたっては, 1〜2 mlの陽性培地を用いてまずAccuProbe法で同定します。AccuProbe法でM
avium complexの同定になった場合と同定できなかった場合について, 残りの培地を用いてアセトン風乾法で回収したDNAを用いてDDHで同定しています。
(琉球大学・山根 誠久)
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