02/08/05
■ “液体の感染性廃棄物”の現状は如何に???
【質問】
 感染性廃棄物について調査しております。
医療機関から排出される液体の感染性廃棄物についての現状 (どの程度分別できているのか, 容器の種類と使い勝手など) はどのような状況なのでしょうか。

【回答】
 ご質問に対して回答します。
 一般的なこと (他施設の現況) についてはよくわかりませんが, 私の病院の現状を例に示します。
1. 液体の感染性廃棄物: 対象を限定するのは容易ではありませんが,
 (1) 血液・体液
 (2) 尿: 尿検査室, 検査後の尿
 (3) 透析排水
 (4) 病理検査室の排液
を対象としております。

2. 中間処理
 (1) 血液, 体液はすべて感染性廃棄物専用の容器に入れ, 外部の施設で焼却, 埋め立てを行っています。
 (2) については専用の排水槽 (9 立方メートル) に溜め, 中和槽で酸, アルカリ, 酸化剤処理を行ったのち, 排水槽から公共の下水道に放流しています。
 (3) 透析排水は透析排水槽 (9立方メートル) に溜め, 計量槽を経て, 反応槽 (0.4立方メートル)で, 酸 (硫酸), アルカリ (苛性ソーダ), 還元剤 (チオ硫酸ナトリウム) で処理し, 流動槽を経て, 排水槽から公共の下水道に放流しています。
 (4) 病理検査室の排液は, (2)と同様の処理を行っています。
 
 なお, 感染性には含まれませんが, ホルマリン, 定着液, 現像液についても専用の貯留槽を設置し, 外部の業者に委託処理を依頼しています。

 当院は新病院の建設に併せて上記のような院内処理システム (中間処理) を構築しましたが, (1)〜(4)のすべてを感染性とする必要はないと思います。ただし, 血液, 体液, 透析液は感染性廃棄物として認識することが大切であると考えます。

(NTT東日本関東病院・岡田淳)

[戻る]