04/07/27
■ ESBLの菌種について
【質問】
 総合病院の細菌検査室に勤務しています。ご教授をお願いいたします。

NCCLSでは, E. coli, KlebsiellaのESBLの確認試験としてCTX, CAZの単剤よりも, それらにCVAを加えた合剤のMIC値が3管差以上効くことが上げられていますが, ProteusCitrobacterなどの菌種についても同様で, なおかつIPM, CMZが感受性の場合には“ESBL”と報告してもいいのでしょうか???

【回答】
 Proteus mirabilisCitrobacter koseri (C. freundii以外のCitrobacter spp.) などの菌種についてもESBLsの報告がありますので, NCCLSの判定基準を満たせば報告しても良いと考えます。Proteus mirabilisCitrobacter koseriはクラスCのβ-ラクタマーゼの影響がないため, E. coliKlebsiella spp.と同様な感受性パターンを示すので判定可能ですが, まれにCMZに自然耐性を示すEnterobacter cloacaeCitrobacter freundiiのESBLs, さらにESBLsとメタロ・β-ラクタマーゼの両方の遺伝子をもつK. pneumoniae の報告がありますので, 耐性遺伝子と薬剤耐性化の理解は必要と思われます。

(愛媛大学・宮本 仁志)


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