【回答】
　Escherichia coli O157で代表される細菌による“腸管出血性大腸菌感染症は”一向に減少せず, 国内での感染症として定着しているようにも見受けられます。最近も集団感染事例が起き, 幼い子供達が重篤になっています。このような事態をいち早くキャッチし, 速やかに原因を究明できるのが微生物検査をあずかる私達であり, そのための手段として糞便から直接O157抗原やベロ毒素を検出する方法があります。
　現在利用されているベロ毒素検出キットには (1) ノバパスベロ毒素EIA (Bio-RAD) や (2) オーソVT1／VT2 (オーソ) があり, 数時間で結果が得られます。いずれもELISA法であり, 若干の操作トレーニングが必要ですが, 日常検査として十分行えます。詳細な取り扱いはメーカーに問い合わせ, 説明を受けてください。
　高価な試薬ではありますが, 人の命を救うことを第1に考え, 常備して置きたい製品ですね。ただし, 地域のネットワークを密にして, 相互利用する方法もありますので工夫してみてはいかがでしょうか。