■ 臨床的には結核らしくない, でもガフキー9号の喀痰??? 
【質問】先日, 提出された喀痰を検査したところガフキー9号, PCRでは結核菌に陽性の結果でした。結果を報告したところ, 担当の先生は, 「そんなはずはない。患者は結核を疑わせるような症状も所見もない。検査室でのコンタミではないか」とおっしゃいます。もう一度提出された喀痰を再検査しても陽性が確認されました。このように臨床では結核を疑わせるようなものがないにもかかわらず, 結核菌陽性といったことはあるのでしょうか。もしあるとすれば, ほかにどのような検査をすればよいのでしょうか。

【回答】
1. コンタミの可能性
塗抹陽性しかも大量排菌ですからその可能性はほとんどないと思います。また, 再検しても陽性ですからまず間違いないと思います。非結核性抗酸菌なら環境水やほこりや土などからのコンタミも考えられますが, PCRで結核菌ということですので, 結核症と考えて良いと思います。当然, 検体取り違えもチェックしてください。

2. 主治医の誤認の可能性
どういう症状があって検査をされたのか解りませんが, 何か呼吸器の症状があったものと思います。レントゲンで所見がないということですが, 気管・気管支結核の場合はレントゲンで所見がないことがあります。また, 喉頭結核でもレントゲンで所見はありません。

3. 次に行う検査は培養は行っているでしょうから, 特にありません。

(京都大学・一山 智)

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