02/02/25
■ ガフキー号数と検鏡拡大率
【質問】
 結核菌塗抹検査のガフキー号数についてお尋ねいたします。以前にこの質問箱に, “鏡検は「新結核菌指針」に示されている様にガフキー号数を併記した方がよい”とご提示ありました。私どもの保健所でもまだ, ガフキー号数の記載が求められております。しかし, 「新結核菌指針」では, 顕微鏡での倍率は1,000倍です。2000年10月に, 結核研究所から出してある「結核院内感染予防の手引きについて」再度ホーム・ページにだされているガフキー号数の中には, まだ1視野 (拡大500倍) あたりに検出される菌数です。感染危険度指数を評価する目安を算定する場合, 1視野中倍率でガフキー号数は2倍の開きになる様に思います。どちらを鏡検の倍率に確定したら, よいのでしょうか? ご教示ください。

【回答】
 「新結核検査指針」ではご指摘のように顕微鏡での倍率は1,000倍です。一方, ガフキー号数は500倍での観察所見です。前者は集菌塗抹での観察の場合の倍率であり, 表に示されている「相当するガフキー号数」は, 500倍で観察したガフキー号数に置き換えて示しているものであります。したがって, 集菌塗抹であれば1,000倍で観察して, 相当するガフキー号数を表の通りに置き換えればいいし, 直接塗抹の場合は, 従来通り500倍で観察してガフキー号数を記載すればよいと思います。そもそもガフキー号数は曖昧な表現であり, また危険度指数そのものも, はっきりした臨床的な根拠に基づいているものではありません。

(京都大学・一山 智)

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