04/01/27
04/02/12
■ 合成基質を用いた細菌の同定
【質問】
 はじめまして。生物資源学の学生です。突然失礼ですが, 微生物同定についてよきアドバイスがあればと思い, メールさせて頂きました。好気性細菌を蛍光基質や発色基質を使って, 簡易的に同定できる方法を考えているのですが, なかなかいいアイデアが浮かびません。 同定に応用できるような基質や試薬があれば参考までに教えていただきたいのですが。大変恐縮ではありますが, 何卒ご返答の程よろしくお願いいたします。

【回答】
 率直に言って, 勉強不足です。現在, ほとんどすべての医療機関 (病院) の検査室で行っている細菌の同定方法は, 発色基質や蛍光基質を使った方法です。同定検査は, 細菌の発育による濁りから始まり, pH指示薬の色調の変化, 酸化還元反応による呈色, 合成基質の分解による発色や蛍光発光など, 様々なアイデアが駆使されています。そのような反応系を考えることは特許の取得を含め, 開発競争そのものです。まず, 手近な同定キット, 出来たら迅速同定キット(4〜5時間で同定できるキット) の使用説明書を収集して, その内容をしっかりと読んでください。4-methylumbelliferyl-○×といった酵素基質が使われていたら, それは最も多用されている蛍光基質です。p-nitrophenyl-○×といった酵素基質が使われていたら, それは発色基質です。○×-β-naphthylamideといった名称の酵素基質であれば, ジアゾ色素を使った発色系の反応です。いろいろな反応が菌種同定に応用されていますので, しっかり勉強してください。
 

(琉球大学・山根 誠久)


【質問者からのお礼】
 お忙しい中, 返信ありがとうございました。素直に勉強不足を実感しています。もっと同定に関するいろいろな情報を集め, 勉強していきたいと思います。どうもありがとうございました。


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