■ グラム染色での色抜けについて | |
【質問】
初めて質問させていただきます。私は○×医学技術専門学校臨床検査技師科に在籍する者です。 ところで, 学校での微生物学実習の際にグラム染色を行ったのですが, S. aureusを染色した際に色が抜けることがありました。具体的に言うと, 多数のS. aureusが染色されている中で何箇所か色が抜けて薄いピンク色の痕跡として観察されるといった状態です。E. coliでは, このようなことはほとんどありませんが, S. aureusではしばしば見られます。この様な現象に対しての対策はあるのでしょうか??? ちなみに実習でのグラム染色の手順は・・・図解臨床細菌検査 (文光堂) のハッカー変法と同様に, 塗抹→乾燥→火炎固定→クリスタルバイオレット染色→ヨウ素処理→アルコール脱色→サフラニン染色→乾燥の手順で行っています。 【回答】 新鮮な菌株を使用されていますか??? グラム染色性は長く培養された株では, 本来陽性であっても陰性に染色されることがありますので, 培養してから時間の経過していない新鮮な株を使用する必要があります。グラム染色上のコツは脱色操作にあります。脱色にかかる時間は1分間を超えると脱色過度になりますので, 陽性が陰性に染色されます。今一度これらのことに注意しながら染色してみてください。 (愛媛大学・宮本 仁志)
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