03/08/08
■ B型肝炎ウイルスのワクチンで抗体が陽性→陰性→また陽性
update:03/08/12 【質問】
 10年以上前になりますが, B型肝炎ウイルスのワクチンを接種しました。2回接種で抗体を獲得しました。5〜6年はHBsの抗体は陽性でしたが, その後は陰性でした。ところが今になってまた抗体が陽性になりました。抗体は時間と共に減るから, 再接種が必要だと聞いたことはありますが, 再接種しなくても抗体が陽性に戻ることもあるのですか, 教えてください。よろしくお願いします。

【回答】
 御指摘のように, B型肝炎ウイルスのワクチン接種で獲得したHBs抗体は, 時間の経過と共に, 次第に陰性化して行きます。陰性になったHBs抗体が再び陽性になったとのことですが, 理論的にはふたつのことが考えられます。

  1. HBs抗体が陰性化した後, 新たにB型肝炎ウイルスに感染した
  2. HBs抗体の測定方法にはいろいろな試験方法があり, HBs抗体を検出できる限度 (感度) にも差があります。感度の悪い方法で測定すれば陰性に, 感度の良い方法で測定すれば陽性に判定されます。また, 陽性・陰性の境界付近の比較的低い濃度のHBs抗体は, 測定の度に判定結果が変動することも考えられます。
 対応としては, まずHBs抗体を再測定し, その他のB型肝炎ウイルスのマーカー, 特にHBc抗体の測定をお勧めします。
(琉球大学・山根 誠久)

【質問者からのお礼】
 ご回答ありがとうございました。参考にさせていただき, 再度, HBs抗体を測定したいと思います。


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