|
【質問】
当方, 食品会社で品質管理をしております。大腸菌, バチルス, その他一般的に存在する菌の同定をグラム染色および鏡検により行っております。(同定キットは予算の都合で購入しません)。各種文献などと比較しても自信がありません。標準菌株により比較することにより同定が容易にできるかと考えております。いかがでしょうか???
また, 標準菌株の入手方法はどのようにすればいいのでしょうか??? 回答, よろしくお願いします。
【回答】
菌株の分譲は, 全国にある保存機関から受けることが可能ですが, 分譲に関する事務手続きは日本学会事務センター(TEL
03-5814-5811) が行っています。代表的な保存機関は北海道大学農学部, 東京大学農学部,
大阪大学微生物病研究所 (菌株保存施設) などです。
世界的な菌株分譲施設としてはAmerican Type Culture Collection (ATCC)
[http://www.atcc.org]が最も有名で,
精度管理のための標準菌株を直接, 購入することもできます。
(愛媛大学・村瀬 光春)
【質問者からのお礼】
標準菌株の入手方法をおしえていただきありがとうございました。早々に日本学会事務センターへ連絡を取ってみます。
【読者からの意見】
日本学会事務センターが菌株分譲の事務手続きを行っているという回答ですが,
そのようなことはないと思います。岐阜大学医学部微生物学講座保存菌株については日本学会事務センター事業部が代金支払窓口のようですが,
すべての微生物菌株保存機関に当てはまることではありません。日本の代表的な微生物菌株保存機関としては;
・独立行政法人 製品評価技術基盤機構
・バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門 (NBRC)
・理化学研究所微生物系統保存施設 (JCM)
・東京大学分子細胞生物学研究所バイオリソーシス研究分野 IAM カルチャーコレクション
(IAM)
があります。質問者が入手を希望している大腸菌, バチルス, その他一般的に存在する菌の菌株でしたら上記の機関から容易に入手できるはずです。微生物菌株保存に関する学会として日本微生物資源学会があります(http://www.jscc.nig.ac.jp/)。日本の代表的な微生物菌株保存機関を知ることが出来ます。
なお, 国内の微生物菌株保存機関としては上記の3保存機関をよく利用していますので,
微生物菌株の分譲を受けるにあたっての日本学会事務センターの役割については小生の知識不足もあるかもしれませんことをお断りしておきます。
[戻る]
|