■ 一般生菌とは何ですか? | |
【質問】
こんにちは。学校給食を担当している者ですが, 寒天培地で一般生菌と大腸菌とブドウ球菌の検査を児童や給食室でおこないました。そこで, 児童の掲示資料で3つの検査結果を見せたいと思ったのですが, ブドウ球菌の特徴や症状, 対策などは分かったのですが, いまいち一般生菌と大腸菌の特徴や内容が不明確でしたので, お教え下さい。一般生菌での汚染は主にどんな症状が出るのでしょうか??? 勉強不足で申し訳ありません。 【回答】
まず“一般生菌”ですが, これは細菌の種類にかかわらず, どの程度“生きた細菌”がいたのかを示すものです。環境中のすべて (用いた培地や培養条件で違いますが) の細菌が検出され, その環境にどの程度の濃度で細菌がいるのかを意味します。しかも, それは病気とは無関係な場合がほとんどです。病院環境ですと, 手術室などで一般生菌を測定しますが, その目的は手術室がどの程度きれいなのか (ほこりが少ないのか) を知るためです。 大腸菌 (正確には大腸菌群) を検査する目的は, 環境がどの程度, “ヒトを含む動物の排泄物で汚染されているのか”を知ることです。環境を汚染するごく微量の糞便を化学的に検出することは不可能ですから, 動物の腸管にのみたくさんいる細菌の代表として大腸菌群を検査する訳です。このような目的で使われる大腸菌群を指標菌とも呼びます。これも病気とは直接関係しない場合が多い (大腸菌がそのまま病気を起こす訳ではない) のですが, 環境 (例えば給食室) が動物の糞便で汚染されていると, 糞便に含まれる赤痢菌やサルモネラ菌による感染が拡がる可能性が高いと言えます。 (琉球大学・山根 誠久)
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