02/07/03
■ “カビ”の乾燥状態での保存方法
【質問】
 未同定のカビを保存しようと考えています。―80℃の凍結保存法を用いて保存したのですが, 乾燥状態での保存も考えています。調べてみたところ, 乾燥した担体に菌液を染み込ませて乾燥させるという方法があるらしいのですが, 詳しい手法がよくわかりませんでした。わが社ではデシケーター中で乾燥させることになります。その場合, デシケーターは室温で使用してもかまわないのでしょうか? また, 常圧に戻す場合, 雑菌の混入に最も注意を払わなければならないと思いますが, 特に気をつけることはあるでしょうか? このカビは胞子形成が悪い種類のようですので菌糸の懸濁液として保存しても構わないのでしょうか? 以上よろしくお願いいたします。

【回答】
 菌糸の懸濁液として保存 (糸状菌の保存) の場合は, 寒天ブロックごと20〜50%グリセロール入りスクリュウ・バイアルにて―80℃に保存します。胞子形成が悪い真菌は, そのまま凍結すると死滅してしまうので, グリセロールを添加します。乾燥による保存は, 真菌ごとに条件が異なるので, 未同定のカビを保存しようと考えている場合は乾燥しないほうが良いようです。

(昭和大学・中村 良子)

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