■ 歯科領域での感染予防対策 | |
【質問】
病院に勤める歯科衛生士です。当院は, CDCのガイドラインに沿って感染予防対策を行っております。以下の3点についてお聞きします。 (1) イソジンなどの綿球つぼ, アルコール綿を毎日交換することの根拠について: 綿球つぼはディスポ製品を使用し, 毎日交換しています。アルコール綿はワンショットプラスで, 24時間で廃棄していますが, 今後1枚ずつのパックになる予定です。薬液を継ぎ足したり, 開封後24時間以上経過したアルコール綿を使用した場合, 細菌が増殖するという根拠はあるのでしょうか。 (2) クリティカル器具を滅菌する前に, 以前はグルタールアルデヒドなどに浸してから洗浄し, 滅菌していました。現在は, 一時消毒なしに流水で洗浄後, 滅菌するという方法に変更になっています。洗浄時は, 手袋・マスク・ディスポガウンを着用していますが, 洗浄中の針刺しなどで, 感染の危険はないでしょうか。 (3) 歯科におけるスタンダードプリコーションをどうしたらよいか, 試行錯誤しています。患者の口腔内に入れる器具で, 滅菌できないものもあります。また, 開業医レベルの人員で, コストのかからない感染予防対策を実行するにはどうしたらよいのでしょうか。 【回答】
(2) ご質問の趣旨がよくわからなかったのですが, 強いていえば, 次のことがいえると思います。針などの尖った器具は洗浄を行わずに廃棄する場合が多いと考えられますが, 洗浄を行わねばならない場合は洗浄中の針刺しによる感染の危険はあるでしょう。ただし, 針刺しによる感染はそれに付着している血液の量に関連 (比例) するようですから, 洗浄時は血液の濃度が薄まっていると考えられるため, 刺した場合に体内に入る血液量は極端に少ないと予想しています。 (3) コストのかからない感染予防対策を実行するにはどうしたらよいか, という問題は, 国立大学病院において仕事をしている私たちも含め, 皆悩んでいると思います。もちろん時には, うまくいっているなと思う事例もあります。下に紹介する本の目的は“資源が限られている状況下で, 院内感染防止・管理を行うための枠組みを提供する”ことにあるそうです。私自身, 全部を読みこなしているわけではないので, 有用であるかもしれないとしかいえませんが。 [参考文献]
(琉球大学・久田 友治)
【質問者からのお礼】
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